人権を考える5分間のラジオ番組「明日への伝言板」

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  • 2013年10月14日(月)放送

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本当の気持ち
北九州市人権推進センターがお送りする「明日への伝言板」です。

今日は、北九州市教育委員会が平成24年度に募集した人権作品の中から、

北九州市小倉北区(こくらきたく)の中学三年生、白石(しらいし)みずきさんの『本当の気持ち』という詩を紹介します。本人の朗読でお聴きください。

『本当の気持ち』

北九州市立白銀(しろがね)中学校三年 白石みずき

 「大丈夫」

 よく耳にする言葉

 人を心配するとき

 人に心配かけないようにするとき

 相手や自分が困っているとき

 よく口にする言葉

 でも「大丈夫?」と質問すると

 たいてい「大丈夫」と返ってくる

 本当は大丈夫じゃなくて

 本当は助けてほしい人ほど

 すぐに「大丈夫」って

 相手に心配かけないように

 結局、自分一人で背負ってしまう

 そんな「大丈夫」の裏の本当の気持ちを

 本当は気づいてほしいという思いを

 いつもどこかで

 見て見ぬふりをしていたのかもしれない

 「大丈夫?」って聞いて

 「大丈夫」って答えを求めていた自分が

 本当はいたのかもしれない

 実際に助けを求められても

 どうすることもできなくて

 ただ一言かけていた自分がいたかもしれない

 でも、そのままでは

 いつまでも互いに素直になれない

 相手の本当の気持ちに

 気づいてあげられるように

 「大丈夫」

 その一言を軽く流さないで

 相手の気持ちに敏感に

 気づいてあげられる人になりたい

 いかがでしたか。

みずきさんは、「大丈夫」という一つの言葉から、

さまざまなことに気付き、思いを巡らせたんですね。

 苦しみが大きい人ほど、人を気遣う人ほど、本当はそうではないのに、

「大丈夫」と返し、一人で苦しみを背負ってしまうのではないか。 

 友達が「大丈夫」と答えたとき、その奥から発しているSOSに、

気付かないふりをしていたのではないか。

 友達の気持ちがどうなのかより先に、

本当は自分が友達を心配していることを示したくて、「大丈夫?」と尋ね、

ただ「大丈夫」という返事を求めていただけではないか。

 皆さん、「自分にも、心当たりが」と、ドキリとしませんか?

 みずきさんが言うように、相手の言葉を軽く聞き流さずに、

言葉の裏にある本当の気持ちに気付く敏感さや、

本当の気持ちをしっかりと受け止め、寄り添う優しさを、私たちは持ちたいものですよね。

 では、また。