人権を考える5分間のラジオ番組「明日への伝言板」

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  • 2013年10月17日(木)放送

テーマ / 北朝鮮拉致問題 ジャンル検索

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横田滋・早紀江さん夫妻の講演を聞いて
北九州市人権推進センターがお送りする「明日への伝言板」です。

 今日は、北朝鮮による拉致被害者横田めぐみさんのご両親、

横田滋(よこたしげる)さん・早紀江(さきえ)さん夫妻が2012年、北九州市で行った講演を基に

拉致問題について考えてみます。

 「ブルーリボンに祈りを込めて」と題した講演で横田さん夫妻は、

13歳だった長女のめぐみさんが1977年11月15日、

中学校からの帰宅途中に行方不明になって以降、

35年間の思いを切々と語りました。

 めぐみさんを血眼(ちまなこ)になって捜し回った失踪当時のこと、

その20年後、北朝鮮の工作員に拉致されたことが分かったときに抱いた生存への望み、

2002年の日朝首脳会談で北朝鮮側が拉致の事実を認めた後、

「めぐみさんは死亡」と聞かされたときの絶望感…。

横田さん夫妻の話に来場者はあらためて胸を締め付けられました。

 北朝鮮が、めぐみさんのものだとして提出した「遺骨」は、

別人のものという鑑定結果が出ています。

横田さん夫妻は、めぐみさんの生存を強く信じ、

被害者を救う運動に携わり続けているのです。

 日本政府が北朝鮮による拉致被害者と正式に認定しているのは、

2013年8月末現在、めぐみさんを含めて17人。

しかし「北朝鮮に拉致されたのではないか」と考えている失踪者の家族は他に大勢います。

2003年に設立された民間団体「特定失踪者問題調査会」は、

およそ700人を特定失踪者として登録し、現地調査を行うなど活動を続けています。

特定失踪者の中に、北九州市八幡東区(やはたひがしく)の会社員加藤久美子(かとうくみこ)さんがいます。

 加藤さんは22歳だった1970年8月、出勤のため妹と一緒に家を出て、

近くの路面電車の停留所で妹と別れた後、消息が分からなくなりました。

その後の調べで、失踪時の状況などから、拉致された可能性が濃厚とされています。

 拉致問題は、本人の意思とは全く無関係の人権侵害であるだけでなく、

国民の生命・安全を守るという国家の主権を踏みにじる犯罪です。

私たちは、被害者の家族の苦しみを忘れず、拉致問題の全面解決に向けて、

関心を持ち続け、世論を盛り上げていくことが必要です。

 では、また。