人権を考える5分間のラジオ番組「明日への伝言板」

メニュー

ここからコンテンツです

  • 2013年10月21日(月)放送

テーマ / 性的指向 ジャンル検索

YouTubeで音声を再生します。

PDFダウンロード
同性愛者に、人を愛する権利を
北九州市人権推進センターがお送りする「明日への伝言板」です。

 

今日は、北九州市が平成24年度に募集した人権作文の入選作品の中から、

同性愛についてのお話を紹介します。

 女の子が集まって恋の話に花が咲き、「彼氏いないの?」など水を向けられると、

居たたまれない気持ちになる。

だって私は、異性に恋したことが一度もない同性愛者だから。

 多くの異性愛者は、同性愛者など存在しないかのように振る舞う。

実際にはセクシャルマイノリティー、性的少数派は、

どの時代のどんな社会にも常にいるといわれているのに。

 異性愛者の中には、同性愛者の存在を認めない人たちや、

同性愛者はテレビや漫画の中にしかいないと思っている人たちもいる。

同性愛に偏見を持たない寛容な人たちでさえ、身近に同性愛者がいる現実を想像できない。

いないも同然の扱いを受けることで、私たち同性愛者は悲しい思いをしている。

 認めてほしいなら、自分は同性愛者だと主張すればいいと思われるかもしれない。

しかし、現在の日本の社会では、気持ち悪がられたり、

無神経な言葉に傷つけられたりするリスクが高い。

 私たち同性愛者は、性の有りようを主体的に選択したわけではない。

本人の努力や周りの働き掛け、医学的治療によっても異性愛者に変わることはできない。

だから、同性を好きになる理由を聞かれても、「生まれつき」としか答えようがない。

異性愛者だって、なぜ同性ではなく異性を愛するのかと尋ねられても、答えられないだろう。

それと同じことだ。

人を愛すること。それは理屈を超えた行為だ。

 私たちが求めるのは、ただ自由に人を愛する権利だ。

恥じることなく堂々と恋がしたい。

同性愛者と異性愛者が共に、屈託なく恋の話に興じられるような、

偏見のない社会の実現を願う。

 いかがでしたか。

同性愛などの性的指向をはじめ、性同一性障害など、

日本でもセクシャルマイノリティーの人たちがメディアに登場する機会が増え、

「少数派」の本当の気持ちが社会に少しずつ発信されています。

 性の有りようは自意識を形作る重要な要素です。

「こうあるべき」と固定観念にとらわれることなく、

自分と違う感性や価値観を理解し、受け入れること。

それこそが、みんなが生きやすい社会への第一歩ではないでしょうか。

 では、また。