人権を考える5分間のラジオ番組「明日への伝言板」

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  • 2016年11月03日(木)放送

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多文化が響き合う場所
校長室や教室など室名表示は全て日本語と英語と中国語の三カ国語で書かれています。音楽室では日本人児童がけん盤ハーモニカを初めて触るマレーシア人児童に使い方を教えています。ここ、北九州市戸畑区のあやめが丘小学校はとても国際色豊かです。放課後には、近くの公園で日本人とインドネシア人や中国人の子どもらがサッカーをして遊ぶ姿が見られます。

あやめが丘小学校には、近くにある九州工業大学に留学している外国人の子どもたちが多く通い、現在、インドネシア、マレーシア、中国など十四人の外国人が在籍しています。毎年のように入って来る外国人児童のほとんどは日本語が全く分かりません。そのため専任教員がそれぞれのレベルに合わせた日本語の個人指導や、「いただきます」のあいさつをはじめ日本の習慣などを教える適応指導に努めています。
その一方で、学校全体として、例えば韓国など異国の文化や発展途上国における医療支援活動について学ぶなど、国際理解を深める教育にも取り組んできました。
そんな小学校ですから、日本人児童が外国人児童とフレンドリーに接し、積極的に日本語や授業内容などを教えてあげるのはごく日常です。
池町真一校長は
「イスラム教徒児童の断食の習慣を否定しないなど、世界には多様な文化があり、またそれを互いに尊重し合うのが当たり前ということを子どもたちは肌で知っていると感じます。」
と言います。
インドネシア人で六年生のアリ・アハサンくんは、
「日本語を熱心に教えてくれたり、運動会で応援してくれたり、みんな優しい。親友もでき、毎日楽しい。」
と笑顔で話してくれました。
二〇一七年に帰国予定のアリくんは
「一生懸命勉強して九州工業大学に留学し、あやめが丘小学校の仲間とも再会する。」
と力強く語っています。

言葉や文化、習慣が融合するあやめが丘小学校の子どもたちの触れ合いは、外国の人たちと交流し共生していくきっかけとなり、豊かな未来へとつながるでしょう。現在、北九州市には韓国や中国、東南アジアを中心におよそ一万一千人の外国人が住んでいます。まず身近にいる外国人にあいさつするなど、皆さんも多文化共生への第一歩を踏み出してみませんか。
では、また。