人権を考える5分間のラジオ番組「明日への伝言板」

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  • 2016年10月26日(水)放送

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インターネットと人権
スマートフォンは、子どもから大人まで幅広い世代が活用する日常的なツールとなっています。一方で、ライン上でのいじめやSNSを悪用した犯罪に、子どもたちが巻き込まれるケースが後を絶ちません。
ネット上の人権問題に取り組む全国webカウンセリング協議会には、被害を受けた子どもたちのほか、保護者、学校からの相談が寄せられています。協議会の理事長・安川雅史さんは講演などで事例を示しながら、ネットに潜む危険性を大人がきちんと自覚して子どもたちを守るよう訴えています。

少年事件の場合、新聞やテレビでは加害者の実名は報道されませんが、ネット上はお構いなしです。ツイッターやフェイスブックを通じて交友関係が調べられ、本人はおろか友人や恋人の写真まで公開され、プライバシーや人権が守られていないのが現状です。
安川さんは
「ネットに投稿する際、相手の了承なしに、一緒に撮った画像をアップすることは禁物。何よりも、載せていいことと悪いことをきちんと判断しなければいけません。」
とアドバイスします。
また、ネット犯罪に巻き込まれて命を落とした子どもの九五%以上が年齢制限機能を使っていませんでした。出会い系サイトで知り合った同年代の子が、実は若い女の子を狙う中年男性のなりすましだったという事例は頻繁に起きています。幼稚園児が見ていた子ども向けアニメの画面がいつの間にか成人向けアニメに変わっていたり、「イスラム国」の動画に影響を受けた子どもたちがクラスで暴力行為を引き起こしたりということもあります。
「スマホやタブレットを買ったら、即、年齢制限機能の設定を。ゲーム機や携帯音楽プレーヤーなどネットとつながる全ての機器も同様です。」
と安川さんは強調します。

IT機器は本人には便利ですが、誰かに悪用される恐れが付きまといます。大人は、そのことを子どもにしっかり伝える必要があります。安川さんは
「『あんたのためなんだから』と頭ごなしに言うのではなく、子どもが納得するように語り掛けてください。自分のことを本気で思っている言葉は必ず子どもたちの心に届きます。」
と訴えます。子どもたちの命を守るために、私たちもきちんと向き合っていきたいですね。
では、また。