人権を考える5分間のラジオ番組「明日への伝言板」

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  • 2017年11月10日(金)放送

テーマ / 障害のある人 ジャンル検索

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生きる喜びの詩
今日は、障害を抱えながら、自作の詩の朗読活動を続けている小川裕生さんのお話です。
小倉北区の黄金市場。夕方の買い物客が行き交うアーケードに、詩の朗読が響きます。

僕達はこの世に生を受けた
たった一つだけの命
なんのために産まれてきたのか
なんのために生きていくのか

買い物客がふと立ち止まったり、市場の人が作業の手を止めたりして、朗読に聴き入ります。
小川さんは、毎週火曜日の仕事帰り、黄金市場に立ち寄って、自作の詩を朗読しています。 
現在三十一歳の小川さん。慢性腎不全のため、幼いころから病院の入退院を繰り返してきました。そして小学三年生のとき、自らの体験をもとに詩を書くようになりました。

手術直後の体の痛み…
学校に行けない入院生活の寂しさ…
好きな物を食べられない食事制限のつらさ…

誰にも言えない胸の内を詩につづりました。そんな生活の中にもうれしいことがたくさんありました。

病室の窓から見える空の美しさ…
ときどき食べられるお菓子の美味しさ…
大好きな音楽との出会い…

日常の小さな幸せを詩に表しました。

高校を卒業するころには、自らが実感してきた、生きている喜びを多くの人に伝えたいという思いが強くなっていきました。そして二十歳のとき、市場での朗読活動を始めました。

ぼくらの未来に教科書はいらない
冒険こそが 明日への架け橋
誰にも真似できない ぼくらだけのStory
ゴールのない今をとことん楽しんじゃえ

小川さんは、生まれたときから右眼が見えません。医師からは、いずれ左眼も失明すると言われています。そのことについて、小川さんはこう話します。

「怖くないと言ったらうそになるんですけど、できるうちは笑っとこうぜ、挑戦した方が人生楽しいよ、というのをこれを通して伝えていきたいなと。」

今日も、市場に力強い声が響きます。

あらすじのない明日へ さあ今駈け出そう
ありのままの今が ぼくらだけのStory


いかがでしたか。障害と向き合いながら、詩の朗読を通して、生きる喜びを伝える小川さん。私たちも、日常の小さな幸せを感じて、毎日を大切に過ごしたいですね。
では、また。