人権を考える5分間のラジオ番組「明日への伝言板」

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  • 2018年10月29日(月)放送

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心の声
今日は、福岡法務局と福岡県人権擁護委員連合会主催の平成二十九年度全国中学生人権作文コンテスト福岡県大会で優秀賞を受賞した、北九州市八幡西区の中学二年生、山本琢海さんの作文「心の声」を紹介します。この作文は一部省略して朗読します。

僕のお兄ちゃんは、自閉症です。自閉症というのは、脳の発達、成熟が障害されることにより、心を通わせることが不自由な神経発達の病気です。兄は、コミュニケーションがうまくとれなかったり、想像力がとぼしく、こだわりが強いところがあります。
同じ屋根の下で生活していると、兄のこだわりや決まり事にイライラしたり、融通が利かない兄の方を母は味方したりと…小さいながらに不満がたくさんありました。
でも、兄のすごいところもたくさんあります。数字を覚えるのが得意で、ナンバープレートの4けたの数字は今まで出会った百人以上のナンバーを記憶しています。
二歳違いの僕と兄は、小さい時はよくケンカをしていて、加減が分からない兄が手を出す事に、母は目が離せなかったようです。
今もケンカをしないわけではありませんが、明らかに以前と違う事は、兄は僕を頼ってくれるようになりました。できない事、わからない事は、僕にお願いしてきます。母は僕に
「あなたがお兄ちゃんのできる事をはるかに超えて成長したので、お兄ちゃんにとっては助けてくれる人という存在になったのだと思うよ。」
と言いました。
兄は人権のポスターを書いた事があります。画用紙にたくさんの人を書き、最後に母が「この絵をどうしたい?」と声をかけたら、たくさんの人の絵を一つの丸で囲ったと言っていました。兄は、差別がなくみんな平等の世界であるという事を伝えたかったのではないかと感じました。
僕は一人一人の人権を尊重し、みんなが平等に暮らしていける社会にするためには、苦手なところやできないところは補いあって、みんなで支えあっていくことが、一番大切だと思いました。

いかがでしたか。
人にはそれぞれ苦手なことや得意なことがあります。琢海さんは伝えています。「みんなで苦手なことを補い合い、支え合っていくことが大切だ」と。
では、また。