人権を考える5分間のラジオ番組「明日への伝言板」

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  • 2018年11月07日(水)放送

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支え
今日は、福岡法務局と福岡県人権擁護委員連合会主催の平成二十九年度全国中学生人権作文コンテスト福岡県大会で優秀賞を受賞した、北九州市小倉南区の中学三年生、神尾昂宜さんの作文『支え』を紹介します。この作文は一部省略して朗読します。

八月某日、僕は三泊四日の林間学校に参加しました。班員を見て、僕は目を見張りました。その中には、両手に杖を持った一人の少年がいたのです。飯盒炊爨やスポーツレクリエーションには参加できそうになかったため、「なぜ林間学校に参加したのだろう」という疑問を抱きました。彼は中学一年生で足に障害を抱えており、自己紹介の際に、「たくさん迷惑をかけると思うけど、自分でできることは積極的にします」と言っていました。それからは、班員みんなで荷物を持ってあげたり、車椅子を押してあげたりしました。彼も身の周りのことは誰の力も借りようとせず、必死にこなしていました。
そして二日目。飯盒炊爨では、彼は、椅子を持参してかまどの前に腰を下ろし、薪で火を起こし、火力の調整までし始めました。さらに、彼は一時間立ったままで食器洗いを手伝ってくれたのです。
三日目のスポーツレクリエーション。一生懸命に応援し続けました。自分にできる最大限のことを彼は継続していました。
そして最終イベントであるキャンプファイヤー。彼はこう言いました。
「僕はこの林間学校をとても楽しみました。たくさんの人に支えられたから、様々なことを体験できました。ありがとうございました」
この時僕は、なぜ彼が林間学校に来たのかを理解することができました。彼は自分にできることを探し、実践することで、自分を成長させようとしていたのです。それと同時に、物事に挑戦し、成功させることで、それを自信へと繋げていたのです。

いかがでしたか。
昂宜さんは最後に、作文をこう締めくくっています。
「このような体験をしてから、『障害』についての考え方が変わりました。『それはできないだろ』と決めつけるのではなく、彼らの挑戦を尊重して、サポートしていくことが、今の僕らにできる最大限の『支え』だと思います。」
では、また。