人権を考える5分間のラジオ番組「明日への伝言板」

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  • 2018年11月16日(金)放送

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バリアバリュー 障害を価値に変える
「これからは障害を価値へと変えていくことが必要」。これは、北九州市で行われた講演の中の一節です。講師は、株式会社ミライロの代表で、日本財団パラリンピックサポートセンター顧問も務めている垣内俊哉さん。障害を価値に変えるとは、どういうことでしょうか。

垣内さんは生まれつき骨がもろく、骨折しやすい体で、何度も手術を受けました。車椅子生活の自分を、不幸だ、可哀相だと思い続けてきたそうです。障害を克服しようと頑張りましたが、歩くという夢はかなわず、自殺を考えたこともあったといいます。
そんな垣内さんに転機が訪れたのは大学時代の体験。アルバイト先の会社で与えられた仕事は、車椅子での営業でした。歩けなくても出来ることをひたむきに続けた結果、数カ月後には、なんと営業成績トップに。この時、上司から言われた言葉を、垣内さんは今でも忘れることができません。
「車椅子に乗っていることで、お客さんに覚えてもらえている。結果につながっている。それが、おまえにとっての強みだ。」
ここで垣内さんは気付いたのです。歩けなくても出来ることはある。でも、それだけではない。歩けない、車椅子だからこそ出来ることもある、と。
そして、自身が気付いたことを日本中、世界中へ広げようと、大学二年の時に起業し、株式会社ミライロを設立しました。
垣内さんは言います。
「障害があることは、果たしてハンディであり、マイナスなこと、不幸なこと、可哀相なことなのか。改めて見つめ直さなければなりません。障害は無いほうがいいに決まっていますが、それでも振り返れば、障害があったからこそ気付けたことも、学べたこともありました。出会えた人もいました。視点を変えれば、時に障害は強みになり、価値に変わるのです。」

いかがでしたか。
障害は、一般的に「バリア」として捉えられがちです。しかし、今まで「バリア」として捉えていたことも、考え方や周囲への向き合い方次第で、「強み」や「価値」に置き換えることもできる。それが、「障害」を「価値」に変える、ということなのですね。
では、また。