人権を考える5分間のラジオ番組「明日への伝言板」

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  • 2018年11月19日(月)放送

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まだ誰も知らない
今日は、北九州市立文学館が平成二十九年度に募集した第八回「あなたにあいたくて生まれてきた詩」コンクールの受賞作品の中から、北九州市八幡東区の中学二年生、田尻芽生さんの「まだ誰も知らない」という詩を紹介します。

「まだ誰も知らない」
         九州国際大学付属中学校二年 田尻芽生

人がいつもいつも言っている
当たり前
生きている。当たり前
手がある。当たり前
親がいる。当たり前
食べ物がある。当たり前
着る服がある。当たり前
当たり前当たり前

私達は知らない
誰も知らない
当たり前と思っている人は絶対知らない
その当たり前が無い人がいることを

私達は気付かない
誰も気付かない
当たり前と思っている人は絶対気付かない
その当たり前がどれだけ大切かを

私達は分からない
誰も分からない
当たり前と思っている人は絶対分からない
その当たり前が無くなると、どれだけ困るかを

私達は気付かないといけない
皆も気付かないといけない
当たり前と思っている人は絶対気付かないといけない
その当たり前の大切さを

私が見ている景色を見れない人もいる
私が聞いている音を聞けない人もいる
私がにおう匂いをにおえない人もいる
私が感じる温もりを感じない人もいる

私達の当たり前は決して必ずあるわけではない
当たり前があることが奇跡で
幸せそのものなのだ
だから私達は感謝しないといけない
当たり前がある生活を
当たり前と言える日々を

いかがでしたか。
芽生さんは、私たちが暮らしの中で当たり前のように感じてしまいがちなことの多くが、決して当たり前ではないということを詩に表しています。食べ物があること。着る服があること。温もりを感じられること。そして、生きていること。そのどれもが、当たり前として必ずあったり、必ずできたりするわけではないと伝えています。
また、芽生さんは、その当たり前に気付くことの大切さについて、私たちにこう語りかけています。

当たり前と思っている人は絶対気付かないといけない
その当たり前の大切さを
 
当たり前があることが奇跡で
幸せそのものなのだ、と。

では、また。