人権を考える5分間のラジオ番組「明日への伝言板」

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  • 2018年11月20日(火)放送

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受け取ったバトン
北九州市小倉北区の小学五年生、桑本奏さんは「平和な世界になるために、私にできることが何かを知りたい」と思い、長崎県で開催された青少年ピースフォーラムに参加しました。今日はその感想文『受け取ったバトン』を一部省略して朗読します。

3日間の体験のなかで、一番心に残ったのは、被爆者の深堀譲治さんの話です。深堀さんは14歳の時に被爆し、4人の家族を亡くしました。被爆後、しばらくして弟が最後に亡くなって、焼け野原でとうとう一人ぼっちになった時の深堀さんの気持ちを想像すると、むねがいっぱいになりました。 
私はこれまでに、戦争について、本をたくさん読んだので、よく知っているつもりでした。けれど、深堀さんと向き合って聞いた話は、もっと残こくで、私の頭のなかにあった白黒の戦争の風景が、一気にカラーに変わったような気がしました。
深堀さんが、つらい体験を私達に話してくださるのは、そのような体験をする人が二度と出ないために、戦争を二度と起こさないために、72年前に日本でどんなことがおきていたのかを忘れないでほしいからだと思います。けれど、戦争を体験した方の高齢化が進んで、直接話を聞くことが、今後難しくなっていくと聞いて、私は、ピースフォーラムで探していた答えのひとつにたどり着いた気がしました。
平和な世界になるために、私ができること。それは、今回の経験や深堀さんの思いを、私がたくさんの人に伝えていくことで、深堀さんから話を聞いていない人にも、戦争の悲しさや平和が当たり前ではないことを感じてもらうことです。
そして、それが少しずつ広がって、いつか日本中、世界中に届いたら、きっと戦争のない、平和な世界になると思います。
平和な世界になるために私にできること。その答えは一つではないと思います。私はこれからもその答えを見つけていきたいと思います。
深堀さんから受け取ったバトンは、必ず次の人に渡していきます。

いかがでしたか。
「平和な世界になるために私にできること」を見つけた桑本さん。戦争を体験した人が少なくなる中、私たちも次の人へ平和を願うバトンを渡す努力をしたいですね。
では、また。