人権を考える5分間のラジオ番組「明日への伝言板」

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  • 2019年11月07日(木)放送

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僕の誇りの祖父
今日は、北九州市小倉南区の中学三年生、渡辺涼太さんの作文を紹介します。題は『僕の誇りの祖父』です。この作文は一部省略して朗読します。

僕の祖母は認知症です。僕が物心ついた時には、祖母は認知症を患っていました。そのため、外出時や家での介護が必要です。主な介護は祖父がしています。これは、テレビなどで最近耳にする老老介護です。祖父は介護に追われ、自由が効きません。また、八十歳を超えているため、肉体的にも非常にきつい状態です。
しかし、祖父はそのような素振りは見せません。いつも冗談で笑い飛ばしています。そんな明るい祖父を見て、僕は「こうしていかないとやっていけないのではないだろうか」と思いました。そんな祖父も、実は病気と闘っています。でも、入院中も、介護施設に預けている祖母のことを気にかけ「ばあちゃんの所に顔出してやってね」と言います。自分の体の事よりも、祖母の事を気にする祖父は、本当に優しくて、心から誇らしく思います。でも、自分の体を一番大事にしてほしいし、楽になってほしいです。
そこで、自分には何ができるのか考えました。僕自身が祖母を直接介護したりすることはできないと思います。だけど祖父をリラックスさせてあげたり、楽にさせてあげたりすることはできると思います。また、祖母にたくさん話しかけたり、車イスを押してあげたりするなど、祖父にも祖母にも、僕がしてあげられることはたくさんあると思います。
僕は小さいころからおじいちゃんっ子で、とてもお世話になりました。今度は僕がお返しをする番です。僕にできることを精いっぱい尽くして、祖父と祖母が少しでも楽になってほしいです。そしてこれからもずっと長生きしてほしいです。僕が大きくなったら、祖父のような明るく優しい広い心を持った人になりたいです。

いかがでしたか。病と闘いながらも、いつも笑顔で認知症のおばあさんの介護をしているおじいさん。涼太さんは、そんなおじいさんを心から誇りに思い、「自分に何ができるか」を考えるようになりました。涼太さん、おじいさんのように明るく優しい広い心を持った人になれるといいですね。
では、また。