人権を考える5分間のラジオ番組「明日への伝言板」

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  • 2019年11月12日(火)放送

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「日本語」という出会いから
北九州市にも仕事や留学で移住してくる外国人が増えています。家族と一緒に来た子どもたちが、まず困るのは言葉です。学校の授業にも友だちを作るにも、日本語が必要です。
北九州市は、そのような子どもたちへの日本語指導に力を入れる「帰国・外国人児童生徒教育センター校」に市内の小学校三校、中学校二校を指定しています。戸畑区のあやめが丘小学校は、そのうちの一校です。

あやめが丘小学校の三橋道子先生は、外国から来た子どもたちを中心に日本語を指導する専任教員です。他にも五校の小学校を担当し、国籍や学年、日本語能力などが異なるおよそ十人の子どもたちに日本語を教えています。
最初はひらがなの読み書きから。イラストを描いたカードを見せたり、ゲーム形式にしたり。子どもたちが飽きないよう教え方を工夫するそうです。生活に最低限必要な日本語から教えることもあります。例えば「いる・いらない」「ある・ない」
「よい・だめ」など基本的な意思表示に必要な言葉です。
日本語が十分に理解できない子どもたちにとって、教科の授業はわからないことばかり。中には言葉も習慣も違う同級生たちになじめず、緊張と不安で授業に集中できない子もいるそうです。「だからこそ日本語の授業では、よくほめて、子どもに達成感を感じさせます。笑顔で次の授業に向えるよう送り出すんですよ」と、三橋先生は話します。
家族も日本語がわからない場合、学校が配布したプリントの翻訳や、家を訪問して説明することもあるそうです。「保護者と子どもの不安を取り除くことも私の仕事。でも、主役は担任の先生です。私は陰で支えたい」と、三橋先生は考えています。担任の先生と密に情報交換をして、子どもたちの思いに向き合う努力を続けています。

そのような中、二〇一九年六月、国会で「日本語教育推進法」が成立。日本に住む外国人の増加を見据えて、国内で暮らす外国人への日本語教育の推進を、国や自治体の責務としました。
「これから、今まで以上にいろいろな事情で外国からやって来る子どもが増えるはずです。どんな子にも『よく来たね』という気持ちで迎えられる学校であってほしいと思います。」と三橋先生は話しています。
では、また。