人権を考える5分間のラジオ番組「明日への伝言板」

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  • 2019年11月15日(金)放送

テーマ / 性自認・性的指向 ジャンル検索

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多様な性を認め合う社会へ
糸島市内の小中学校で、今年度から「性の多様性」に関する授業が始まりました。そのための教員向けの手引書づくりに協力したのが眞野豊さんです。

レズビアンやゲイといった同性愛者や、性別に違和感を覚えるトランスジェンダーは、「性的マイノリティ」と呼ばれています。眞野さんは小学校五年生のときに自分が同性愛者だと気付いたそうです。「友達に知られたら生きていけない」と、おびえながら過ごした学校生活は地獄だったと語ります。
大学卒業後、教員になった眞野さんは、「同性愛は特別なものでないということを知ってほしい」という思いから、同性愛者であることを職場でもカミングアウトしました。さらに、赴任地となった糸島市では子どもたちに性の多様性を伝える授業を実施。学校や他の教員たちも巻き込んで性的マイノリティへの理解を広げていったのです。そして二〇一八年、糸島市教育委員会が発行した、性の多様性を教えるための手引書づくりに、眞野さんも協力者の一人として関わりました。
手引書には、子どもたちが自分の好きなものを肯定できるような学習や、男らしさや女らしさを決めつけていないかを考える学習内容などが盛り込まれています。また、眞野さん自身が性的マイノリティとして苦しんだ過去や希望を持って生き
ていけるようになった現在までの経験もつづられています。「一人でも多くの教員に多様な性のあり方を理解してもらいたい。そうすることで子どもたちも理解が深まり、教室や社会から偏見や差別を減らしていける」と、眞野さんは考えています。
教員をめざす人への教育が必要だと考えた眞野さんはいま、広島市の大学で性的マイノリティへの差別の実態や、学校教育のあり方について教えています。さらに、講演会でも自分の体験について語っています。

「誰を好きになるか、どのような性を表現して生きるかは、その人の自由です。自分自身の『性』が人権であるということに気づき、男らしさや女らしさにとらわれない自由な生き方が選択できるようになってほしい」と眞野さんは言います。一人一人の個性が尊重され、多様な生き方が選択できる社会でありたいですね。
では、また。