人権を考える5分間のラジオ番組「明日への伝言板」

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  • 2019年10月23日(水)放送

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外国人の人権問題
今日は、福岡法務局と福岡県人権擁護委員連合会主催の平成三十年度全国中学生人権作文コンテスト福岡県大会で優秀賞を受賞した、太宰府市の中学二年生、日永愛子さんの作文『外国人の人権問題』を紹介します。この作文は一部省略して朗読します。

「Pick your head up」これは、私の母がいつも私にかけてくれる言葉です。「顔をあげなさい。下を向かない」という意味です。私の母は生まれも育ちもフィリピン共和国のフィリピン人です。日本人の父よりも母の方に肌の色、目の色などが本当によく似ています。
小学校に入学したとき初めて小さな差別を受けました。同じ組の子たちが楽しそうに遊んでいたので、「私もいっしょに遊びたい」と声をかけると一人の子が言いました。「このグループは日本人だけしか入れないの。あいこちゃんはハーフだからだめ!」と。私はとても悲しくなりました。母に相談すると「Pick your head up!」と言いました。そして、「自分に自信とほこりをもちなさい。あなたは二つの文化を受けついで、それはとてもすばらしいことなんだよ。」といつも話してくれました。
二年生になって間もないころでした。何人かの男の子が私のところにきて「お前外国人なら国に帰れ!」と言いました。私は顔を上げ相手の目を見て、静かに自分の傷ついた気持ちを伝えました。彼は私にこう言いました。「ごめん。わるかった。」
差別やいじめというのは、私たちのまわりでは小さなことから大きな事まで本当によくあります。実際に差別やいじめをされている方は、みんなの想像よりはるかに傷ついているということ、つらいということ、そして悲しいということを私はこの人権作文を通して、たくさんの人に知ってほしいのです。肌の色が違ってもかみの毛の色などが違っていても私たちはみんな同じ人間です。心を持った人間です。相手の気持ちを思いやり、相手の立場になって考えれば、いじめや差別はなくなると思います。

いかがでしたか。愛子さん、お母さんの言葉に支えられ、勇気を出して自分の思いを伝えることができてよかったですね。
では、また。