人権を考える5分間のラジオ番組「明日への伝言板」

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  • 2019年10月24日(木)放送

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STOP!虐待
最近、親が子どもを虐待したというニュースをよく耳にします。北九州市の児童相談所が対応した虐待に関する相談件数は、二〇一三年度の三百八十件から二〇一八年度には千四百八十七件へ、およそ四倍に増えています。虐待の被害とはどのようなものでしょうか。同じ地域に暮らす私たちにできることはないのでしょうか。
虐待相談に応じている北九州市の児童相談所の担当者に話を聞きました。

驚くことに、実際に警察や子どもの通っている学校などから虐待を通報されたほとんどの保護者は「虐待なんかしていない」と思っているそうです。「言うことを聞かないから怒鳴った」「手をたたいてしつけた」などと言います。
しかし、親や家族がいくら一生懸命でも、その子をかわいいと思っていても、子どもの側に立って有害であれば、それは全て虐待なのです。
厳しい体罰を経験した子どもは、生活に重要な働きをする脳の部位が十九%以上減少するというデータがあります。言葉の暴力によって、声や音を知覚する脳の部位が変形することもあるそうです。親はしつけのつもりでも、子どもには目に見えないダメージを与えているのかもしれません。
いま、児童相談所への通告で特に増えているのが、心理的虐待にあたる「面前DV」。親や家族が子どもの前で怒鳴り合ったり、殴ったりする行為のことです。直接子どもに暴言や暴力を使わなくても、子どもの心は深く傷つき、成長に大きな悪影響を与えるといわれています。

北九州市では二〇一九年四月一日に「北九州市子どもを虐待から守る条例」を施行。北九州市のすべての子どもを虐待から守るため、市民みんなで協力しようと呼び掛けています。親が自分の虐待に気付いていない場合や、自分の虐待を止められない精神状態の場合もあります。あなたが虐待に気付いたら、すぐに情報を提供しましょう。虐待の相談・連絡は、数字三ケタの189へお電話を。「いちはやく」と覚えてください。匿名で結構です。地域の児童相談所につながります。市民みんなで子どもの命と成長を守りましょう。
では、また。