人権を考える5分間のラジオ番組「明日への伝言板」

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  • 2019年10月31日(木)放送

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#KuTooが見つけた女性の本音
女性の皆さん、ハイヒールを長く履いて足を痛めたことはありませんか? アルバイト先の就業規則に従って、職場ではヒールのあるパンプスを履いていた女性が、ある日、男性社員の靴を見て思いました。「この靴だったら仕事の負担が減るのに」。ツイッターで何気なくつぶやくと賛同の「いいね」が六万七千件集まり、三万回リツイートされました。そして「#KuToo」のハッシュタグが生まれました。「靴」と痛みの「苦痛」を掛け合わせ、セクハラを告発する「#MeToo」運動の名前にも似せています。
ハイヒールは動きづらいだけでなく、人によっては外反母趾や靴擦れ、腰痛などさまざまな健康被害を招きます。ならば、苦手な人は履かなければいい、自分の体に合う靴を履けば済むことです。しかし、女性にハイヒールを義務づけている職場は意外と多いのです。
ヒールの音を響かせながら接客に駆け回る女性の姿は、空港のカウンターやホテルのフロントなど、さまざまな場面で目にします。福岡市のレイコさんは医療介護会社のケアマネージャー。時には住宅街の坂道を電動自転車で上り下りする仕事にもかかわらず「ヒールのある靴」という規則があります。外反母趾に悩まされながらも、「足の形が悪いのだろう」と自分を責めていましたが、「#KuToo」のことを知り、「みんな我慢していただけなんだ」と驚いたと言います。また、営業職のマユミさんの会社には規則はないものの「取引先を訪ねるときはスーツにハイヒール」が暗黙のルール。血豆をつくりながらもハイヒールを脱ぐことはできません。
女性の本音を引き出した「#KuToo」は署名活動へと発展。女性たちは一万八千人を超える署名を添えて、ハイヒール強制を禁止する通達を企業に出すよう厚生労働省に要望書を提出したのです。

「ハイヒールは女性の身だしなみ」と言う人もいます。しかし、健康被害をももたらすハイヒールの強制は、ハラスメントと言えるのではないでしょうか。女性だけでなく、男性にも考えてほしい問題です。
では、また。