人権を考える5分間のラジオ番組「明日への伝言板」

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  • 2020年11月11日(水)放送

テーマ / ハラスメント ジャンル検索

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カスハラを許さない
皆さんは、「カスハラ」という言葉をご存知ですか。今日は、買い物から帰ってきたお父さんと、それを迎える娘さんの会話を覗いてみましょう。

「ただいま〜。」
「お帰り・・・どうしたの、機嫌悪い?」
「近頃の店員はなっとらん!マスクはどこにあるか聞いたら『ありません』『いつ入荷するかもわかりません』だと!俺が病気になったら責任取れるのかって、怒って土下座させたが、まだ怒りが収まらん。」
「え・・・土下座って・・・やりすぎじゃない?」
「クレームに対しての謝罪だよ。こっちは何軒回ってもマスクが置いてなくてイライラしていたし・・・。」
「全国的にマスクがないって、ニュースでやっていたでしょ?お父さんみたいに無理難題言って自分のストレスを解消するのは、クレームじゃなくて嫌がらせ。最近じゃ『カスハラ』って言って、問題になっているのよ。第一、お客さんっていう『立場』を利用して土下座させるなんて、職場だったらパワハラだよ。お父さん、いつも『パワハラにならないか』って部下の人を気遣っていたじゃない!」
「う・・・。そ、そうだな。」
「店員さんを困らせるようなこと、もう絶対しないでね。」
「あ、ああ。確かに、悪いことしたな・・・。」

いかがでしたか。「カスハラ」・・・いわゆる「カスタマーハラスメント」とは、「顧客や取引先からの著しい迷惑行為」のことです。厚生労働省のデータでは、二〇一九年までの十年間に、顧客や取引先からクレームを受けたことにより精神障害の労災認定を受けた人が七十七人、うち二十四人が自殺していたことが分かり、ハラスメントの新しい領域として社会的な問題となっています。

「お客様には強く言えない、なるべく言う事を聞かなくてはいけない」という従業員の心理につけ込んだ「カスハラ」には、暴言などのほか、暴力行為や金品のゆすりといった、法律に触れるようなものもあり、大変悪質です。「カスハラ」をなくすために、私たちは「カスハラ」は重大な人権侵害であると認識し、絶対にしないように心がけることが大切です。
では、また。