人権を考える5分間のラジオ番組「明日への伝言板」

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明日への伝言板試聴コーナー

  • 2021年11月12日(金)放送
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  • 自分らしく生きる

宮本隆治

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自分らしく生きる

今日は、福岡法務局と福岡県人権擁護委員連合会主催の第三十八回全国中学生人権作文コンテスト福岡県大会で優秀賞を受賞した、直方市の中学三年生、出口こころさんの作文『自分らしく生きる』を紹介します。この作文は、一部省略して朗読します。

「人権」とは何だろう。「誰もが平等に自由に人間らしく生きる権利」これが社会の時間に考えた答えです。私はふとこの答えに疑問をもちました。「人間らしく」とはどういう意味でしょうか。そこで、私が考えたのが「人間らしく生きる」とは「自分らしく生きる」ということではないか。
誰かに流されるのではなく「自分は自分らしく生きる」権利があるからこそ、その人の良さが引き出されるのではないかと思います。
私は、小学校高学年の時、「自分らしさ」とは何か、深く考えさせられる経験をしました。
道徳の授業で意見を発表した時のことです。私一人だけみんなとは正反対の考えだったのです。クスクスと笑い声が聞こえてきました。人それぞれで様々な意見があっていいはずです。それなのに自分の考えが笑われてしまい、とても心が痛みました。これをきっかけに「みんなと違う意見だったらまた笑われるかもしれない」と思い始めました。そしてついに周りの目を気にしすぎて自分の意見が言えず発表もしたくないと思うようになってしまいました。
そんな私を変えてくれたのは担任の先生でした。
「誰かに何かを合わせる必要はないよ。無理しなくてもいいのよ。」
これを聞いて、私の心のもやもやがすっきり晴れたように感じました。無理に誰かに合わせる自分は本当の自分ではないのです。
それから私は、周りと違った意見でも「これが自分が考えた答えだ」と自信をもって発表するようにしました。耳を傾けてくれる人も少しずつ増えてきました。
「自分らしさ」とは何か、私は人に流されるのではなく、しっかりと自分の考えをもつことだと思いました。これから心の中にもやもやが生まれた時、そのもやもやを自分の言葉に変えてみようと思います。

いかがでしたか。
作者は作文の最後に、こう言っています。
「自分らしさに気づけたら、周りの『あなたらしさ』『彼らしさ』にも気づけるはずです。これから私はこうして生きていきたいと思います。これが私の人権です。」
では、また。