人権を考える5分間のラジオ番組「明日への伝言板」

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明日への伝言板試聴コーナー

  • 2021年11月16日(火)放送
  • テーマ / 障害のある人 ジャンル検索
  • レインボードロップスのように

宮本隆治

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レインボードロップスのように

今日は、北九州市内で活動する「レインボードロップス」というダンスグループのお話です。
メンバーは、「障害のある人も、ない人も、一緒にダンスを楽しみませんか?」という呼びかけに集まった一般市民の方々です。メンバーの半数は障害のある方で、車椅子の人もいます。長年、振付などに関わってきた地元のダンサー、今村貴子さんにお話を伺いました。

「最初の頃は、『自分が無知なことで、障害のある人を傷つけてしまうんじゃないか』という不安がありました。たとえば、弱視の方を誘導する時には、どうすればいいのか分かりません。でも、見えにくさは、人によって違うので、本人に聞くのが一番だと気づいたんです。『分からないから教えて』と素直に聞くことを大切にしました。
障害があってもなくても、ダンサーとしてそれぞれから出てくる表現に変わりはありません。ダンスという表現を心の底から楽しんでいる素敵なみんなと、私はずっと一緒に踊っていたいと思っています。」

発達障害のある双子の兄と妹が参加しているという、お母さんにもお話を伺いました。

「最初は、障害のある子はかわいそうだからって、お世話されるのかな、と少し心配でしたが、行ってみるとまったく違って、みんなが一人のダンサーとして尊重されていました。対等な関係の中で、息子は生き生きと楽しそうで、私はそれがすごく嬉しかったんです。娘は言葉が出にくく、引っ込み思案でしたが、積極的に自分を表現するようになりました。
今では、すべてがレインボードロップス中心です。家の中でも、練習の映像を見て『こっちの方がいいんやない?』と、毎日、二人で踊っています。『どんなカタチも美しい。正解も、失敗もない』というダンスには、踊る人も見ている人も、幸せにする力があるんだな、と思いました。」

いかがでしたか。
踊りを通して自分を表現することで、自信がもてるようになった子どもたちの成長を、お母さんは嬉しそうに語ってくれました。
障害のある人もない人も、誰もがお互いを家族のように大事に思い合っていると話す「レインボードロップス」。そのメンバー同士のような関係が、社会にも広がっていくといいですね。
では、また。