人権を考える5分間のラジオ番組「明日への伝言板」

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明日への伝言板試聴コーナー

  • 2021年11月17日(水)放送
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  • 違いを尊重して幸せな社会を

鶴田弥生

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違いを尊重して幸せな社会を

今日は、福岡法務局と福岡県人権擁護委員連合会主催の第三十八回全国中学生人権作文コンテスト福岡県大会で福岡県弁護士会賞を受賞した、北九州市小倉北区の中学二年生、霍田來々さんの作文『違いを尊重して幸せな社会を』を紹介します。この作文は、一部省略して朗読します。

夏休みのある日、家族で飲食店に入ったときのことです。そのお店には外国人客が多く、入店してから私は少し戸惑っていました。また、食事をしている最中にも、あちこちから日本語ではない言葉が聞こえてきました。正直、私は「ちょっと怖いな」と思いました。
そのとき私ははっとしました。「こういう気持ちや感情が人種差別につながっているのではないか」と気づいたからです。私はどちらかというと正義感の強い方です。差別についても、なくしたいと人一倍強く願ってきたつもりでした。それまで人種差別なんて自分には遠い世界のことだと思っていましたが、実は身近なことだということに気づきました。
会話を聞いた瞬間、容姿を見た瞬間など、私たちはほんの一瞬の間に、自分と相手の違いを見つけ、それを否定的にとらえてしまう――。だから、してはいけないと頭ではわかっていても差別してしまい、世界から差別が消えず今も続いているのだと思います。人間本来の性質であるから、その感情をなくすというのは決して簡単なことではありません。
では、どうすれば差別を減らすことができるのでしょうか。何よりも重要なことは、その人、その国の特徴を知ることだと思います。なぜなら、あの飲食店での外国語の会話を、もし私が理解できていたら、きっと「怖い」とは感じなかったと思うからです。言語はもちろん、各国の伝統や文化、宗教や生活習慣などを知ることによって、相手のことを受け入れやすくなると思うのです。自分との違いを知り、それを否定するのではなく、尊重することが、差別をなくすことにつながると思います。
まずは、私が外国の文化について調べたり、日頃から日本だけでなく、世界のことにも関心をもったりして過ごしていきたいです。
 
いかがでしたか。
外国の方に対する偏見や差別は、いけないと頭ではわかっていても生まれることがあると、気づいた霍田さん。違いを尊重できる社会のために、私たちもまずは知ることから始めていきたいですね。
では、また。