人権を考える5分間のラジオ番組「明日への伝言板」

メニュー

ここからコンテンツです

明日への伝言板試聴コーナー

  • 2021年11月2日(火)放送
  • テーマ / 女性 ジャンル検索
  • 女性防災リーダー

宮本隆治

YouTubeを再生する

PDFダウンロードPDFダウンロード
女性防災リーダー

近ごろ、各地で大規模な災害が発生しています。そんな中、防災や災害時の対応で改めて見直されているのが、女性の視点の大切さです。これを受け、北九州市では二〇二一年三月、「災害に備えよう~男女共同参画の視点から~」を発行しました。
今日は、若松区で女性防災リーダーとして活躍する、古川裕子さんをご紹介します。

古川さんは、九年前に自治会長に就任しました。そのとき初めて、自分の住んでいる地域が土砂災害警戒区域であることを知ったと言います。

「びっくりして、毎年、校区で行われている避難訓練に参加しましょうと、町内の全世帯に案内のチラシを配りました。ところが、実際に来たのはたったの四人…。『こんな大事なことなのに、なんでみんな来んのかね』と呟いた参加者の声が心に刺さり、もっと多くの人が参加できるようにと、町内だけで避難訓練を行うことにしたんです。」

古川さんは、地域の人が顔見知りになることが防災の第一歩だと考え、まず防災事業実行委員会を立ち上げ、災害時に迅速に全世帯へ電話連絡がいく町内緊急ネットワークを作成。これを活用して定期的に避難訓練を実施するなど、日ごろから、防災への意識向上に取り組みました。
こうした地域の防災活動には、「男女それぞれの視点から意見を取り入れることが必要」だと古川さんは言います。

「例えば避難所では、更衣室や物干し場、授乳室の設置など、女性でなければ気づきにくいことがいろいろとあります。しかし、過去の大災害では、女性が意見を言いたくても、一女性の意見は聞いてもらえなかったということもあったようです。ただ、それが女性のリーダーの意見であれば聞いてもらえます。いざという時のためにも、日ごろからきちんと意見を言える女性のリーダーがもっと増えなければいけないと思います。」

古川さん自身、住民の命を守るために防災リーダーになろうと、令和元年度福岡県「女性による元気な地域づくり応援講座事業・元気塾」に参加。さらに、令和二年には防災士の資格を取得しました。

いかがでしたか。
普段から男女共同参画を推進することが、防災の基礎となります。地域の防災力を強化するためにも、男女それぞれが地域活動に積極的に参加し、さまざまな視点から、意見が反映される環境を作っていきたいですね。
では、また。