人権を考える5分間のラジオ番組「明日への伝言板」

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明日への伝言板試聴コーナー

  • 2021年11月8日(月)放送
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  • 知ってほしい、ヤングケアラーと子どもの権利

宮本隆治

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知ってほしい、ヤングケアラーと子どもの権利

「ヤングケアラー」という言葉を知っていますか。一般的には、本来、大人が担うような家事や家族の世話、介護などをおこなう十八歳未満の子どものことを言います。
国が初めておこなった教育現場での実態調査では、「公立中学二年生のおよそ十七人に一人がヤングケアラーに該当する」という結果が出ています。彼らが家族の世話などにかけている時間は、平日一日あたりの平均で四時間でした。
今日は、こうしたヤングケアラーの問題に取り組む「子どもアドボカシーセンター北九州」代表の八木田祐加子さんにお話を伺いました。

「小学生の頃から家族のケアをしていたというAさんには障害のある妹がいて、母親は、仕事から帰っても妹の世話で夜遅くまで忙しく、父親は残業でいつも遅い帰宅でした。
Aさんは、食事を作るのは自分しかいないと、言われなくても料理をするようになりましたが、いつの間にかAさんがすることが当たり前になり、食事を作っていない日は『なんで作ってないの?』と言われ、とてもつらかったと聞きました。
また、Aさんは『ほかにやりたいことがあってもできなかった。家族みんなが頑張っているのに、自分だけやりたいことをする選択肢はなかった』と言っていました。
Aさんは二十代後半まで家族のケアを続けましたが、妹が病気で亡くなると、この先何をしたらいいのか分からなくなったそうです。」

ヤングケアラーの中には、勉強する時間や睡眠が十分にとれないなどの悩みを抱え、不登校や学校を休みがちになる子どももいます。その多くは誰にも相談せずにいるのが現状です。
子どもは、元気で健やかに育つための権利をもっています。これは、すべての子どもたちがもつ基本的人権として、「子どもの権利条約」で国際的にも定められています。
八木田さんは「子どもの権利について知るだけでなく、ヤングケアラー一人一人にとって、どの権利が守られていないのか、しっかり考えていくことが大事です。」と言います。

いかがでしたか。
ヤングケアラーは、子ども自身や保護者が問題に気づいていない場合が多く、周囲の人や関係者からの支援が届きにくい状況にあります。
私たちみんながヤングケアラーの問題を正しく理解し、「子どもの権利」を大切に考えることが重要ではないでしょうか。
では、また。