人権を考える5分間のラジオ番組「明日への伝言板」

メニュー

ここからコンテンツです

明日への伝言板試聴コーナー

  • 2021年11月10日(水)放送
  • テーマ / インターネット ジャンル検索
  • 裁判を起こした勇気

宮本隆治

YouTubeを再生する

PDFダウンロードPDFダウンロード
裁判を起こした勇気

今日は、SNSで誹謗中傷の書き込みをした人物と向き合い、裁判を起こした俳優春名風花さんのお話です。

「私は、九歳からツイッターを始め、タレント活動や社会問題へのつぶやきなどを投稿していました。そのうち『おや、大人っぽいことを言う小学生がいるぞ』と話題になり、そこから『子どものくせに』と言われたり、『死ね』『殺してやる』というような酷い言葉を書き込まれたりするようになっていきました。
『どういう育て方をしてるんだ』などと家族も批判され、ついには『両親自体が失敗作』とまで言われたんです。それまでSNS上で自分の言葉で闘おうとしていた気持ちの糸が、プツンと切れた気がしました。」

「それなら、第三者のいる公の場で闘おう。」と決心した春名さんは、書き込みをした人物に対し、名誉毀損の民事訴訟を起こしました。その結果、三百十五万円という示談を甘んじて受け入れましたが、匿名であれ身元は必ず特定されることや、ネット上であっても言葉の暴力の責任は負わなければならないことを、世間に投げかけました。

春名さんは、「お互いの意見がぶつかり合うことは普段の生活でもあります。でも、意見が違うからといって、人格や人生まで否定するのは、行きすぎた攻撃です。ネットの向こう側の人物は生きていて、酷い言葉で殴られれば潰れてしまう人もいるんです。その責任は取れますか‥‥?
今、悩んでいる人へ。誹謗中傷してくる人からは、なるべく距離をとってください。一人で抱えこまずに、今すぐ誰かに相談してください。自分を責めないでください。あなたが多くの人と関わる中で、息のしやすい場所を見つけられることを願っています。」と言います。

春名さんは、行動する勇気を私たちに教えてくれました。
インターネットは、人を傷つける「凶器」になるおそれがあります。誹謗中傷や本人の了承のない個人情報の掲載、デマや違法な情報の書き込みなどは、人のいのちを奪うこともある悪質な人権侵害です。もし、あなたが今傷ついているなら、あなたを守る方法もあるのです。法務省のホームページ「インターネットによる人権侵害をなくしましょう」を検索してみてください。
では、また。