人権を考える5分間のラジオ番組「明日への伝言板」

メニュー

ここからコンテンツです

明日への伝言板試聴コーナー

  • 2021年11月11日(木)放送
  • テーマ / DⅤ ジャンル検索
  • 我慢しないで相談を

鶴田弥生

YouTubeを再生する

PDFダウンロードPDFダウンロード
我慢しないで相談を

内閣府の発表によると、二〇二〇年度に全国の配偶者暴力相談支援センターとDV相談プラスに寄せられた相談件数は、およそ十九万件にものぼり、過去最多となったそうです。
「DV(ドメスティック・バイオレンス)」と聞くと、殴る・蹴るといった身体的暴力をイメージしますが、DVには、生活費を渡さない、仕事を制限するなどの経済的圧迫や、性的行為の強要も含まれます。また、配偶者やパートナーの人格を否定するような暴言をはく、家族や友人との付き合いを細かく監視するなどの精神的暴力もDVの一つです。
この精神的なDVを受けていたAさんの体験談を聞いてみましょう。毎日のように夫とこんなやりとりがあったそうです。

「お前、今日の昼間、どこへ出かけてたんだ! 昼休みに何度電話しても出なかっただろう!」
「ごめんなさい。友だちが『近くまで来てるから会わない?』って電話をくれて、あわてて出かけたら、スマホを忘れちゃって…」
「嘘ついてないだろうな? スマホを見せてみろ。」
「ほら、前に話した学生時代の友だちの名前でしょ。それでね、今度の日曜、どこかでランチでもしようかって話になって…」
「はぁ!? 今すぐ断れよ! 俺の稼いだ金でランチだなんていい身分だな。今度の休みは俺が出かけるから、お前は留守番してろ!」

いかがですか。
内閣府の「男女間における暴力に関する調査」によると、配偶者からDV被害を受けた女性の四割が「誰にも相談しなかった」と答えています。その理由は、「相談するほどのことではないと思ったから」が最も多く、「自分にも悪いところがある」「自分さえ我慢すればいい」と考える女性もいます。しかし、DVは人権を侵害する重大な問題で、決して許される行為ではありません。
こうしたDVの増加や深刻化の懸念を踏まえ、内閣府が二〇二〇年四月にスタートしたのが「DV相談プラス」です。これまでの「DV相談ナビ」電話(♯8008)に加え、「DV相談プラス」では、SNSのチャットやメールでも相談できるようになりました。専門の相談員が、電話・メールは二十四時間いつでも相談を受け付けています。
我慢しないで自分自身の命と尊厳を守るため、勇気を出して相談してください。電話番号は0120‐279‐889、フリーダイヤル「つなぐ はやく」です。
では、また。