人権を考える5分間のラジオ番組「明日への伝言板」

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明日への伝言板試聴コーナー

  • 2022年11月15日(火)放送
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  • オリンピックから見えた平和のかたち

ジェフ太郎

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オリンピックから見えた平和のかたち

今日は、北九州市戸畑区の中学二年生、宮内紗那さんの作文を紹介します。題は『オリンピックから見えた平和のかたち』です。

原爆が投下された日、または終戦記念日を自信をもって答えることができますか?
NHKがおよそ千人に調査した結果、七割が不正解だったというニュースの映像を見て衝撃を受けた。
今の若者から戦争についての関心が薄れてきていることは、平和の危機だと思う。私たちは戦争を知らない。さらには、戦争を経験した世代が高齢になり、語り手が少なくなってきている。戦争で傷つき亡くなった大勢の人々がいた事実をしっかりと心に刻み、さらに次の世代に伝えていかなければ、また同じ過ちを繰り返してしまう可能性があると思う。
今も戦争をしている国は多数ある。昔の話と思っているのは平和な国に住んでいるから気づかないだけで、一般市民が巻き込まれて死んでしまう現実を、その中に自分と同じ年の子どもたちがいる事を忘れてはいけない。
そんな中、東京オリンピックが始まり、開会式を見ていて驚いた事があった。アナウンサーが各国の選手団が入場している解説の中で、「オリンピック期間中は戦争をしてはいけない」と言っていたのだ。笑顔で入場している二〇六の国の選手たちを見て、なぜか心が熱くなるのを感じた。
平和とは何か言葉では言い尽くされているが、これこそが答えではないだろうか。
「武器を置き、平和、相互尊重、理解、和解に向けて努力することを呼びかける」と、国連総会でオリンピック休戦決議が採択されていると知った。
いろいろなスポーツを観戦していると、それぞれの国を背負い真剣に勝負する選手の人たちの顔は鬼気せまるものがあった。けれども、いざ終わると笑顔で抱き合い、お互いの頑張りを認め合い、国を越えた一体感が生まれている様子を目の当たりにした。言葉が通じなくても、その人間を認め合うオリンピックに心底感動した。

いかがでしたか。
世界中の選手たちが一堂に集う東京オリンピックを機に、改めて平和の大切さを実感し、平和について考えた作者。戦争を知らない世代が増えても、戦争に関心のない世代を増やしてはいけないと言っています。
国を越え、私たち一人一人が同じ人間としてお互いを尊重し、認め合うことが、戦争のない平和な世界への第一歩ではないでしょうか。
では、また。