人権を考える5分間のラジオ番組「明日への伝言板」

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明日への伝言板試聴コーナー

  • 2022年11月17日(木)放送
  • テーマ / 高齢者 ジャンル検索
  • あめちゃんずFM生放送

ジェフ太郎

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あめちゃんずFM生放送

昼下がり、コミュニティFMラジオから、明るい声が聞こえてきました。

「ラジオ オレンジカフェ」
「はい。皆さまこんにちは。あれ、天神さん?」
「はーい。」「元気ですか?」「はーい。」
「声が聞こえてきましたね。酒井さん。」
「はい。」「元気ですか?」「はい。」
「中村さん、元気ですか?」「…」
「手を挙げていらっしゃいますね。」

番組のナビゲーターは、権頭喜美惠さん。社会福祉法人もやい聖友会の理事長です。出演しているのは、女性三人組で通称「あめちゃんず」。駅で働いていた中村文子さんは九十二歳、口をついて出る鹿児島弁が楽しい天神ツキミさんは八十九歳、そして、蒲鉾屋の看板娘だった酒井清子さんは八十九歳です。三人は、認知症の方のためのグループホームに入居しています。月に一回、グループホームから車で二、三分のところにあるFMラジオのスタジオに出勤します。  
このラジオ番組を制作するきっかけになったのは、高齢者の方の「仕事がしたい」という声だったそうです。それを聞いて、「高齢者の方も、何か人のために役に立てる立場でいてほしい」と思った権頭さん。間違えても、失敗しても大丈夫な仕事なら…と考え、ラジオのパーソナリティーに行き着いたそうです。

一時間の生放送は、台本も打ち合わせも無しのぶっつけ本番。同じ話を繰り返しても、とがめる人なんかいません。ひとりが「もう忘れたから分からん」と言えば、別の人が「忘れるからいいんよ」とツッコミを入れたり、懐かしい曲がかかれば、一緒に歌い出したり…。ラジオを聞いたあめちゃんずの御家族が「歌うのなんて聞いたことがない」と驚いたそうです。

権頭さんは言います。
「三人ともラジオは初体験でしたが、だんだんラジオの向こう側で聞いている人を意識するようになって、会話の中からオチを見つけるなど、かけあいもしっかりしてきました。顔の表情も優しくなったかな。
認知症になっても、高齢になっても、誰もがこういった自分自身の生き方を発信する場があれば、その人自身も元気になるし、私も三人のおかげでとても楽しく、ほわっと優しい気持ちにさせてもらってます。」さらに権頭さんは、こう続けます。
「発信する方法は、絵を描いたり、何かを作ったり、人によっていろんなカタチがあると思います。」

いかがですか。
やったことのないことに挑戦するのは、いくつになってもワクワクするし、楽しいものですね。あめちゃんずのラジオを聞いて、私も元気をもらいました。
では、また。