人権を考える5分間のラジオ番組「明日への伝言板」

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明日への伝言板試聴コーナー

  • 2022年11月18日(金)放送
  • テーマ / 障害のある人 ジャンル検索
  • 聞きたい

鶴田弥生

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聞きたい

今日は、北九州市の中学二年生の詩を紹介します。題は『聞きたい』です。「聞く」という言葉には、耳で音や言葉を聞くだけではない、いろんな「聴き方」があることを作者は語っています。皆さん、詩を聞きながらいっしょに考えてみてください。では、読んでみますね。

『聞きたい』

耳から音が入ってきた時、
どんな音なのかを分かろうとする
言葉であれば その意味を理解しようとする
「聞く」は 耳に入ってきた音や言葉を認識する
けれど
私の「聴く」は 相手の感じていること
伝えたいことを理解しようと耳を傾けること
心を込めて「聴く」
口元を見ながら 目で「聴く」
相手の顔の表情で「聴く」
手の動作で「聴く」
紙に書いた文字で「聴く」
補聴器の力で「聴く」
多少、聞き取りにみんなよりも時間はかかるかもしれない
けれど、
聞きたい

いかがでしたか。
聴覚障害のある方は、耳から入ってきた音や言葉を認識する「聞く」ではなく、相手の感じていることや伝えたいことを理解しようと、心を込めて、全身で「聴く」のでしょう。口元を見ながら言葉を読み取ったり、相手の顔の表情から気持ちを推し量ったりされる方にとっては、コロナ禍で多くの人々がマスクをするようになってからの生活は、とても大変だったかもしれません。

私たちは、人によって異なる障害の特性があることを理解し、その人がどんな配慮や手助けを求めているのか、その気持ちや意向をしっかりと感じ取っていくことが大切です。
例えば、聴覚障害のある方の場合でも、手話や筆談など、どのような応対を希望されているのか分からないと、相手を不用意に傷つけてしまう可能性もあります。
詩の中にあった「相手の感じていることや伝えたいことを理解しようと、心を込めて耳を傾ける」という姿勢は、誰にとっても大事な聴き方です。障害のある人もない人も、誰もが住みよい社会を実現するために、まずは相手の心の声や感じていることに寄り添い、理解しようと思いやることから始めていきたいですね。
では、また。