ここは市内にあるコンビニエンスストア。レジに立ち、笑顔で接客しているのは、ネパール人のタパ スレッシュさんです。北九州市にやって来るたくさんの留学生の一人です。日本語学校から専門学校のホテル学科を経て、さらに経済学を学ぶために市内の短期大学へ進みました。
「北九州市は便利で住みやすいし、みんな親切でフレンドリー。」とスレッシュさんは言います。
そんな北九州市での就職を目指し、学業とアルバイトを両立させながら、頑張っていますが、その前には就職活動という高い壁があります。
一般社団法人「グローバルエデュケーションサポート」の理事長、小林典子さんは、一人でも多くの外国人留学生の就職をサポートして、共存共栄の社会をつくりたいと活動をしています。
「お金をかけて日本に留学しても、就職できず、やむなく母国に帰る留学生をたくさん見てきました。日本語で履歴書を書いたり、面接を受けたりと、複雑な就職活動を誰かがサポートすることによって、日本で働きたい、という留学生の夢が叶います。意欲のある留学生が就職して力を発揮できれば、それが地域の活性化や、私の目指す共存共栄の社会につながります。」
スレッシュさんにとって、小林さんやアルバイト先の先輩、友達は、日本で頑張ろうという気持ちを支えてくれる心強い存在です。
スレッシュさんに将来の夢を尋ねると、
「いずれネパールに帰り、日本みたいな会社をつくりたい。日本で学んだことを生かしたい。」と明るく答えてくれました。
また、小林さんは、留学生が実務経験を積むとともに、地域の人が外国人と交流できる場所にしたいと、八幡東区の中央町商店街にスリランカ料理店「キャンディアン」をオープンしました。
「お店に来られた日本人と外国人のお客さんが、一緒に話している姿をよく目にします。国籍や民族が異なる人たちがお互いの文化を認め合って共に生きる『多文化共生』は、お互いを知ることから始まります。この小さなお店の中でも、多文化共生ができているのかなと思います。」
いかがですか。
小林さんの目指す共存共栄の社会。そのための活動は、外国人にとっても日本人にとっても暮らしやすい「多文化共生社会」の実現への大きな力となっていますね。
では、また。