人権を考える5分間のラジオ番組「明日への伝言板」

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明日への伝言板試聴コーナー

  • 2022年11月7日(月)放送
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  • ハンセン病について、知っていますか?

ジェフ太郎

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ハンセン病について、知っていますか?

今日は、福岡法務局と福岡県人権擁護委員連合会主催の第四十回全国中学生人権作文コンテスト福岡県大会で優秀賞を受賞した、遠賀町の中学二年生、小竹陽莉さんの作文『ハンセン病について、知っていますか?』を紹介します。この作文は、一部省略して朗読します。

「自分が死んでも家の墓に入れない、
完治しても療養所から出られない、
宿泊や就職することができない、
強制的に隔離施設へ連行される、
無慈悲な差別や迫害、
本名が名乗れない」
これらの言葉をハンセン病のビデオで聞いた時、私は言葉が出なかった。
ハンセン病とは、らい菌によって感染する、感染症の一つである。しかし、感染力は非常に弱く、簡単に感染するような病気ではなかったはずだ。それなのに、なぜこのような酷い差別が生まれたのか。
手足の先や頭、顔、鼻、目、耳たぶなど「一目見て分かりやすいところに病気による変化が出る」というところが、差別や迫害につながっていったのではないかと私は考える。
一九四三年に治療薬であるプロミンが導入されて、ハンセン病は「不治の病」から「完治する病気」へと変わったにも関わらず、その十年後には「らい予防法」という法律が出された。ここが、一番疑問に思ったことである。らい予防法には、ハンセン病の前の法律と変わらず「強制隔離」や「懲戒検束権」などがそのまま残っているのだ。らい予防法は一九九六年に正式に廃止されるが、五十三年間も在り続けた。
私は、ハンセン病について調べている時に出会った「無知が差別を生む」という言葉が忘れられない。
「知らないから、うつるかもしれないと思った。」
「分からないから、隔離した方が安全だ。」
などと、無知が故に間違った考え方が広まっていき、結果ハンセン病を患った方々を苦しめ、辛い思いをさせてしまったのではないか。
まずは「知る」ということが大切だと強く思った。
ハンセン病を患った方々と私達が、同じ地で手を取り合って笑える日が来るように。

いかがでしたか。
差別や偏見をなくすためには「ハンセン病について知り、理解を深めることが大事だ」と気づいた作者。私たちも、家族や友人、そして自分自身に「ハンセン病について、知っていますか?」と問いかけながら、知る努力を続けていくことが大事なのではないでしょうか。
では、また。