人権を考える5分間のラジオ番組「明日への伝言板」

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明日への伝言板試聴コーナー

  • 2022年11月10日(木)放送
  • テーマ / 障害のある人 ジャンル検索
  • 積み木でオーダー

鶴田弥生

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積み木でオーダー

市内のとあるレストラン。テーブルには、形も色もとりどりの積み木が置かれています。よく見ると積み木には「カレー」「コーヒー」などの文字が…。いったい何に使うのでしょう? 
実はこのレストランでは、お客さんは食べたい物の積み木を選び、注文用トレーに入れてオーダーします。例えば、カレー二人分なら、カレーと書かれた積み木を二個という具合です。
ここ『キッチン&マルシェ木町家』は、NPO法人ネストが運営する就労継続支援B型の事業所です。就労継続支援B型とは、障害や難病などで一般企業への就職が難しい人に、就労訓練を行う福祉サービスです。法人の理事長、林澄江さんにお話を伺いました。

「ネストでは三つのB型事業所を運営しています。その一つが『木町家』です。『きまちや』の『や』は、ホームのような場を作りたいとの思いから、『家』という漢字を使いました。
ここでは、知的障害や発達障害のある人たちと、支援する人が交じり合って働いています。障害のある人は、得意分野や苦手なところが様々です。例えば字を書くのが苦手な人が、どうすれば力を発揮して働けるだろうか、と考え、積み木を使ったオーダーが生まれました。」

注文する人も楽しくなる積み木オーダーの発案者は、アートディレクターの嶋田良二さんです。B型事業所の一つである「ネストデザイン」で、この積み木やグッズなどを、障害のある人たちと一緒に制作しています。

木町家のメニューブックには、小さなお子さんや外国人の方でも分かりやすいように、料理写真の横に積み木の写真も載せています。相手を思うちょっとした工夫で、たくさんの人にとって使いやすい仕組みが生まれます。

林さんは、「地域の人に障害のある人たちが働いている姿を知ってもらいたい。働く力を持っていることを理解してもらうきっかけになれば…」と言います。
強みや弱みは誰にでもあるものです。
「障害のある人が、パンを焼けるようになったり、ホールでお客様と話ができるようになったり。そんな毎日の積み重ねを大切にしています。大事なのは、決して諦めない心です。」とおっしゃった言葉が、強く印象に残りました。
では、また。