今日は、LGBTQの当事者として、人権啓発の活動をしているROSEさんこと宮崎猛志さんのお話です。
ROSEさんは現在六十三歳。五十歳を過ぎるまで男性として生活してきましたが、女性の服装で、歌を披露したことをきっかけに、性別に違和感を持つようになりました。七年前、配偶者にカミングアウトしたときのことを、こう話しています。
「妻は、私が女性として生きることを応援してくれました。そして、差別や偏見を受けたときは、味方になってくれると言ってくれました。本当のところを言うと、私が毎日、化粧をしてスカートをはくようになってから、彼女はずっと悩み続けていたそうです。それでも、私が告白したときには、しっかり向き合って、トランスジェンダーの私を認めてくれました。私は、これからの人生を女性として生きる決意ができました。」
ROSEさんの姿を見て、「気持ち悪い」と言う人や、お店に入れてくれない人などもいましたが、それ以上に応援してくれる人がたくさん現れました。「自分の生き方を示せば、理解して寄り添ってくれる人がいることを伝えたい。誰もが、ありのままに生きられる社会にしていきたい」と思ったROSEさんは、学校や企業などで講演を行い、体験を語るようになりました。
三年前、ROSEさんはLGBTQを支援する市民団体「I'm me」を立ち上げました。メンバーは、LGBTQ当事者やその支援者およそ二十人。行政と連携した取組が増え、メンバーの声を生かした活動をしています。
現在は、北九州市の危機管理室、人権推進センターと一緒に、災害時の避難所マニュアルの見直しにも取り組んでいます。LGBTQの人たちが避難所でどんな支援を必要としているのか、意見を出しています。
例えば、心と見た目は男性で、体は女性の人が、生理用品をもらえない不自由さを伝えたり、周りに聞かれたくないことも安心して話せるように、相談窓口の設置場所を提案したりしました。
「LGBTQに限らず、多様な人たちに配慮できるマニュアルにしていきたい。」と、ROSEさんは言います。
いかがでしたか。ROSEさんは、常に、「相手の心に寄り添い、違いを認め合う大切さ」を伝えています。様々な個性の人が共に生き、優しく支え合うことができる社会でありたいですね。
では、また。