人権を考える5分間のラジオ番組「明日への伝言板」

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明日への伝言板試聴コーナー

  • 2023年11月2日(木)放送
  • テーマ / 高齢者 ジャンル検索
  • 特殊詐欺から高齢者を守ろう!
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特殊詐欺から高齢者を守ろう!

一人暮らしの高齢女性の元へ、こんな電話がかかってきました。

【電話の声・警察官風】
「もしもし、こちら警察ですが、あなたの銀行口座が犯罪に使われていることが分かりました。保護申請の手続きのために、キャッシュカードを確認したいので、これから御自宅に伺ってもよろしいですか?」

電話を受けた高齢女性は、自分の口座が犯罪に使われていると聞いて頭が真っ白になってしまいました。そして、自宅へやって来た警察官を名乗る男に、キャッシュカードと暗証番号を書いたメモを渡してしまったのです。
これは、高齢者をターゲットにした特殊詐欺の手口の一つです。巧みな話術で相手の不安や恐怖心をあおり、冷静な判断ができないようにしていきます。
息子や孫を装って金銭をだまし取る「オレオレ詐欺」や、架空の未払い料金を口実にする「架空料金請求詐欺」など、高齢者を中心に深刻な被害が続く特殊詐欺。警察庁のまとめによると、二〇二二年の被害総額は三百七十億円にものぼり、前年と比べても八十八億円も被害額が増えています。そして、その被害者のほとんどが高齢者なのです。
「自分は大丈夫。そんな電話にはだまされない」と思っている人は多いでしょう。しかし、特殊詐欺の手口はますます巧妙化しており、福岡県警察では、「電話でお金はすべて詐欺」と警告を発し、被害の防止を図っているところです。

ただ、中には被害を未然に防ぐことができたケースもあります。例えば、銀行やコンビニのATMコーナーで、様子がおかしい高齢者に気づいて店員が声を掛けたところ、やはり特殊詐欺だった、というケースなどです。
このように、家族だけでなく、周囲の人々の見守りや気づき、声掛けなどによって、特殊詐欺の被害から高齢者を守ることができるのです。
「オレオレ詐欺」に対しては、電話の相手が本当に家族なのか確かめるため、家族の間で合言葉を決めておく、というのも一つの方法です。
特殊詐欺に遭うと、金銭的な被害だけでなく、精神的にも大きなショックを受けてしまいます。
高齢者の皆さんが詐欺に遭うことなく、安心して暮らせるように、みんなで見守っていきたいものですね。
では、また。