人権を考える5分間のラジオ番組「明日への伝言板」

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明日への伝言板試聴コーナー

  • 2023年11月7日(火)放送
  • テーマ / 障害のある人 ジャンル検索
  • 温もり溢れる世界を目指して
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温もり溢れる世界を目指して

今日は、福岡法務局と福岡県人権擁護委員連合会主催の第四十一回全国中学生人権作文コンテスト福岡県大会で優秀賞を受賞した、大川市の中学三年生、諸富崚大朗さんの作文『温もり溢れる世界を目指して』を紹介します。この作文は、一部省略して朗読します。

コンビニエンスストアの駐車場で、エンジンがかかったままの開いた窓から、大音量で音楽が流れている車を見かけた。スペースからはみ出し、無造作に停められたその車には誰も乗っていないようだったが、そこは車いすマークが書かれた駐車スペース。
「あの緑色の優先カードがないけれど、どんな人が駐車したんだろう。」
僕は、この出来事をきっかけに自分で調べてみることにした。
「緑色の優先カード」と思っていたそれは、「パーキングパーミット」と呼ばれ、障害者用の駐車施設を必要とする人に交付されている利用証だった。障害のある方、高齢者の方、妊産婦の方などに交付されており、駐車車両を識別できるようにして、許可車両以外の不正駐車を防ぐ目的とされている。
僕の小学一年生のいとこは、外見では分からない障害がある。彼と一緒に買い物に行った時、入口から遠い駐車スペースしか空いていなかった事があった。雨の中、今にも走り出そうとする彼の腕を必死につかみ、車が行き来する駐車場を進み、店内まで連れていくことは、とても大変だった。やはり近くに優先的に駐車できるスペースが設けてあれば、障害のある人や、その家族はとても助かるだろうと、つくづく感じた。こんな時、きちんと利用証を掲げた車が駐車してあれば納得できるが、もしそうでない車が駐車していたとしたら、不愉快な気持ちになるかもしれない。

良い制度や取り組みも、周知されていないと意味がないと思う。マークやカードの意味や内容など、周りにいる僕たちがもっと深く理解し、普及啓発に取り組む事が大切だと思う。その活動を通して障害のある人に対する思いやりの心が芽生え、支え合いという名の花を咲かすことができるだろう。

いかがですか。
作者は自ら調べるうちに、こうした制度が生まれた意味をきちんと知って理解することが大切だと気づきました。
私たちも、支え合いという名の花が咲く社会を一緒に目指していきませんか。
では、また。