人権を考える5分間のラジオ番組「明日への伝言板」

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明日への伝言板試聴コーナー

  • 2023年11月10日(金)放送
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  • 学びをつなぐ、不登校からの選択肢

鶴田弥生

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学びをつなぐ、不登校からの選択肢

学校に行かない、あるいは行きたくても行けない不登校の子どもたちが、この数年で増えています。文部科学省の調査によると、不登校の小中学生は二〇二一年度に二十四万五千人に届く勢いで、過去最多となりました。
コロナ禍で、臨時休校や学校行事の中止などが続き、子ども同士の触れ合う機会が減ってしまったことが、理由の一つとして考えられています。

これから紹介する只松佑海さんは、御自身のお子さんが不登校になり、周りにも同じ悩みを持つ人がいたことから、二年前にフリースクール「寺子屋OHANA」を立ち上げました。
「ずっと我慢してきた気持ちがあって、コロナ禍が引き金になった子が多いです。不登校はSOSのサインなんです。」と話す只松さん。
不登校の原因は「いじめられて傷ついた」「授業についていけない」「新しいクラスになじめない」などと、さまざまです。漠然とした不安から、外に出られなくなった子もいるそうです。

「学校に行くのが当たり前という考え方に、子どもも保護者も苦しんでいます。『なんで学校に行っていないの?』と声を掛けられることがすごくつらいという声を耳にします。フリースクールへの通所は、学校、教育委員会との連携により、出席扱いとして認められる場合もあります。学びの選択肢は広がってきているのです。」

只松さんは、心理カウンセラーの経験を活かし、毎朝、子どもに今の気持ちを話してもらい、学習を始める前に心を落ち着かせる時間を取っているそうです。「安心できる居場所があれば、子どもは自然に力を発揮していきます。」と、優しい笑顔で話してくれました。

いかがですか。
元気を取り戻した子どもは、学校に行ける日が増えたり、高校への進学を自ら決めて勉強を頑張ったりと、様々な変化を見せはじめます。
すべての子どもたちに、教育を受ける権利があります。不登校になっても、フリースクールに限らず、様々な学びの場や居場所があります。子どもの成長を助け、可能性を開いていける、そんな場があることの大切さを強く感じました。
では、また。