人権を考える5分間のラジオ番組「明日への伝言板」

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  • 2026年11月26日(木)放送
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野間口 徹

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アイヌ文化の認知と継承

 今日は、北九州市若松区の中学二年生、坂井美咲さんの作文を紹介します。本人の朗読でお聴きください。

 『アイヌ文化の認知と継承』
      北九州市立向洋中学校二年 坂井美咲

 みなさんはアイヌ民族を知っているだろうか。アイヌ民族とは日本列島北部、特に北海道に住む先住民族で、諸説あるがおよそ九~十三世紀(鎌倉時代)頃から存在すると言われるほど長い歴史と独自の文化を持つ民族である。
 私がアイヌに興味を持ったのは小学生の時、たまたま見つけたアイヌの本に心をひかれ、その本を読んだのがきっかけだった。題名は「知里幸恵とアイヌ」、初めてアイヌ文化を「文字」で書き写した少女の伝記だ。
 アイヌの人々は文字で記さない。音やリズム「民謡」として歌い、記憶し、受けついでいくのだ。そのアイヌの発音は複雑で文字にするのは難しい。そのため日本語だけでなくローマ字も使って表したと本には書かれてあった。知里幸恵は十七歳から翻訳する作業を始め十九歳で「アイヌ神謡集」を完成させた。今では英語、フランス語、ロシア語などにも翻訳されており、世界中で親しまれている。
 だが、このような成果を出すまでにはたくさんの苦労があり、当時は今よりも差別が激しくアイヌというだけで白い目で見られたという。今は昔と比べアイヌの認識が広がり、アイヌ文化を尊重しようとする動きが大きくなっている。実際、二〇一九年に、「アイヌの人々の誇りが尊重される社会を実現するための施策の推進に関する法律」ができた。これはアイヌへの理解を深める上で大切なことだと思う。
 だが、それだけでは偏見や差別は解消されないと私は考える。法律やルール上の決まりはつくられたとしても、日本に住む私たちがアイヌを理解し、これまで差別されてきた歴史があることを知り、私たちはこれからどうすべきか考えていく。これを一人一人ができてはじめて偏見がなくなるのではないのだろうか。 
 今の差別の根本は社会の流れや風潮にあると思っている。そして、その流れをつくっているのが私たちなのだ。そのことを自覚して生きていけばアイヌの人々だけでなく、いろんな人がこの社会で生活しやすくなるだろう。それにアイヌの「自然に生かされている」と考え、一切の物も無駄にしない文化は本当に素晴らしいと思う。私はいつか家族で北海道へ行き、実際にアイヌの文化にふれてみたい。そう思っている。

 いかがでしたか。
 私たち一人一人がアイヌの人々の歴史や文化を正しく理解し、尊重して、差別や偏見のない社会にしていきたいですね。
 では、また。