人権を考える5分間のラジオ番組「明日への伝言板」

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明日への伝言板試聴コーナー

  • 2026年11月27日(金)放送
  • テーマ / 部落差別(同和問題) ジャンル検索
  • 「差別されない権利」を守るために

鶴田 弥生

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「差別されない権利」を守るために

 令和六年十二月、部落差別を巡る裁判で、人権に関する大切な権利が初めて認められました。それは、「差別されない権利」です。
 裁判のきっかけになったのは平成二十八年、ある出版社が被差別部落の地名リストをウェブサイトに公開し、本の出版を計画しました。こうした情報は、その地域に住む人や出身者への差別につながりかねません。そこで、地名リストの公開や出版の差し止めなどを求める裁判が起こされました。
 最終的に裁判所は、誰もが不当な差別を受けることなく、人としての尊厳を保ちながら平穏に暮らすことは、法律によって守られると判断しました。「差別されない権利」が認められたのです。

 部落差別は、日本社会の歴史の中で生まれた、日本固有の重大な人権問題です。部落差別解消推進法の施行から十年たちますが、結婚や就職などで今も偏見や差別が残っています。
 しかし、「部落差別はもう過去の問題」と考えている人も少なくありません。法務省が令和二年にまとめた調査では、およそ四人に一人が、「部落差別はもはや存在しない」と答えています。
 「かつての自分もその一人だった」と言うのは、高校生のA子さんです。ある時、「差別されない権利」という言葉を知った彼女は、「誰にでもあるはずの権利なのに、なぜ改めて認められたんだろう」と疑問を持ちます。そして、インターネットで調べていくうちに、被差別部落に対する心ない書き込みや動画、誤った情報などをたくさん目にしました。
 「私は、書かれていることをそのまま信じることはありませんでしたが、もし何も知らない人がこうした情報を見て、信じてしまったら…。そう考えると、怖くなりました。
 インターネットで見つけた情報をうのみにしない。そして、差別につながる情報は広めない。そんな心掛けが、本来誰もが持っているはずの『差別されない権利』を守ることにつながるんだと思います。」 
 A子さんは、そう語ってくれました。

 部落差別は、決して過去の問題でも、「人ごと」でもありません。すべての人には、差別されることなく、人として尊重されながら生きていく権利があるのです。
 人によって作られた差別は、決して自然になくなっていくものではなく、人によってしかなくすことができません。一人一人が、「差別されない権利」の大切さについて考えていきたいですね。
 では、また。