特集子ども・若者応援センター「YELL(エール)」

若者応援! 「次への一歩」を一緒に踏み出そう

「エール」の戸内相談員(左)と長谷川相談員
「エール」の戸内相談員(左)と長谷川相談員

 雇用情勢の悪化、家族や周囲とのコミュニケーションの希薄化などにより、社会生活を営む上でさまざまな困難を抱え、将来の展望が描けない若者が増えています。そうした若者の総合相談窓口として市は昨年10月、ウェルとばた(戸畑駅前)に子ども・若者応援センター「YELL」(以下「エール」)を開設しました。今回は、自立に向け歩みだそうとする若者を応援する「エール」の役割や取り組みについて、戸内智子相談員と長谷川理恵相談員に聞きました。

どんなことでも相談できるのですか?

戸内
「高校を中退して何もやる気がしない」「仕事が長続きしない」「だらだらした生活を改善したい」「人間関係がうまくいかない」など何でも結構です。キャリア・コンサルタントなどの資格を持つ相談員が応じます。「エール」の支援対象は、おおむね15歳以上40歳未満の若者たちとその家族です。この4カ月間で、さまざまな悩みを抱える若者約100人が来ました。ご家族からの相談もたくさん寄せられています。

自立できないのは本人や家族の問題との声もありますが

戸内
必ずしもすべてがそうではありません。雇用情勢の悪化による突然の解雇や心身の疾患など、本人の努力だけではどうにもできない現状もあります。また、最近はいくつもの問題を複合的に抱えている若者が多いのも特徴です。

相談窓口でどこまで問題解決できるのでしょうか

長谷川
「エール」単独で解決するわけではありません。ほとんどのケースが複数の専門家や機関の協力を必要とします。まず「エール」では、若者の気持ちや課題の整理を行い、「次への一歩」を相談員と一緒に考えます。そして、若者の自立を支援する機関のメニューなどを利用しながら、少しずつ歩みを進め、自立できるまで応援を続けていきます。また、「エール」には、若者を強力に応援するネットワークがあります。教育・雇用・医療・福祉など多くの関係機関で構成する「北九州市子ども・若者支援地域協議会」です。相談に来た若者にどんな支援が効果的か、専門家の意見をもらいながら、総合的に自立を支援していきます。

具体的にどんな支援をするのですか?

長谷川
一人一人の若者の状態や希望に応じて、相談員がさまざまなメニューを提案し、コーディネートしていきます。右下で紹介しているAさんのケースでは、状況や気持ち、課題の整理が済み、実際に行動して社会や人とつながる力を付けるステップへと進みました。現在、Aさんは就職を最終目標に据え、それに近づく道のりを相談員と一緒に歩んでいます。大切なのは、本人が自分の抱えた「課題」や「問題」にしっかりと向き合い、自ら進む道を考え、自ら行動することです。

悩んでいる若者にどんなメッセージを伝えたいですか?

戸内
悩みを1人で抱え込まないで、ぜひ相談してください。相談が苦手ならば、情報の収集だけでも構いません。まずは「エール」に来てください。話すことで問題解決に向けたヒントは必ず見えてきます。自分らしさをかなえる『次への一歩』を、一緒に考えていきましょう。

子ども・若者応援センター「YELL」

◎住所
戸畑区汐井町1―6ウェルとばた2階(戸畑駅前)
◎電話番号
TEL093・882・0188
◎開所日・時間
火~土曜日(祝日は除く)の10~18時45分

※来所相談は、おおむね1回1時間。事前に電話予約があれば、待ち時間なしで相談できます。

◎ホームページ
http://www.kitaq-youthnet.jp

「エール」利用者の一例

女性イラスト

【Aさん(20代の女性)の場合】

背景 大学在学中に体調を崩し中退。人とうまくかかわれなくなり、自宅で数年間、ひきこもりがちの生活を送っていた。
10月
【悩み】
人とのコミュニケーションが苦手だが、社会とつながり、できれば働くこともしたい。
【エールに相談】
相談員と複数回面談をし、「働くことに悪いイメージを持っている」という課題を一緒に確認する。一歩前進するために、本人が「気持ちを上手に相手に伝えるようになる」という目標を決める。
11月 女性と赤ちゃんイラスト
【社会体験】
子育て支援施設で週1回、ボランティアを行う。赤ちゃんを抱いたり、母親と接して「ありがとう」と言われたりするうちに、笑顔が増える。
【エールに相談】
ボランティア活動を行う中で「生きている実感がある」と話し、「自立して社会人になりたい」と就職への意欲も見せる。相談員は働くことへのイメージが変わってきたと判断。アルバイトを探すか資格取得を優先するかなど、仕事に就くまでの過程を話し合う。
1月
【就労体験】
就職活動の基本を学べ、就労体験もできる福岡県若者サポートステーションの「サポステ塾」に参加する。

【この特集に関する問い合わせ】 子ども家庭局青少年課 TEL093・582・2392

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