健康づくり

昭和56年以降、がんは日本人の死因の第1位です。高齢化が進むにつれて、今後さらに、がんによる死亡者数が増加することが予想されます。しかし、がんを早期発見できれば治癒率は高くなります。今回は、がん検診の重要性や早期発見の利点などについて特集します。
がんは死因の第1位
平成25年、本市では1万613人の市民が亡くなり、そのうち3292人ががんで亡くなりました。これは、市民の3人に1人ががんで死亡していることになります。しかし、本市における平成26年度のがん検診の受診率は「子宮頸(けい)がん検診」23.1%、「乳がん検診」15.4%、「大腸がん検診」7.5%、「肺がん検診」3.6%、「胃がん検診」2.4%であり、まだまだ低いことが分かります。
早期発見・早期治療のメリット
がんを早期発見し、早期治療ができれば、さまざまな利点があります。例えば、(1)乳がんは乳房を残す手術が可能になり、胃がんはお腹を大きく切らずに内視鏡でがんを切除できるなど、手術が簡単になる場合があります。(2)放射線治療や薬剤治療などの治療期間も短くて済むため、治療による身体的負担が少なくなります。また、入院日数が短くなり、職場への復帰も早くできるため、経済的負担も軽減します。さらに、治療後の日常生活への影響が少なくて済みます。このように早期発見できれば、治癒率が高くなるだけでなく、自分自身や家族への負担軽減につながるのです。
早期発見のために検診を受けましょう

がんの大きさが1~2cm程度の早期のうちに発見できる期間は、たった1~2年です。この期間に発見し、治療を受ければ約9割は完治するといわれています。がんの恐ろしさは、初期にはほとんど自覚症状がないことです。「私は健康だから大丈夫」という自己判断が最悪の事態を招くことになるかもしれません。そうなる前に定期的に検診を受けましょう。
がんが進行すると、胃がんは空腹時の不快感、肺がんはなかなか治らない咳や胸の痛み、子宮頸がんは出血・月経が長引くなどの症状が現れます。いつもと違う症状が現れたり、なかなか良くならない場合は、検診を待たずに医師の診察を受けましょう。
日常生活でがんを予防しよう
がんの多くは、生活習慣や環境要因の見直しで予防できることが分かっています。国立がん研究センターの研究では、「たばこを吸わず、副流煙も避ける」、「継続して適度な運動を行う」、「適切な体重維持」、「お酒は適度に」、「バランスの取れた食生活と塩蔵品を控える」という五つの健康習慣を意識することで、がんのリスクが低くなることが分かっています。
誰もがつらい思いをせず、健康な毎日を過ごすために、出来ることから始めて自分の命を自分で守りましょう。

10月から胃がん検診に「胃内視鏡検査」を導入します
本市の胃がん検診は「胃部エックス線検査」だけでしたが、10月から「胃内視鏡検査」を導入します。今後、いずれかを選択して受診することができます。
胃がん検診(いずれも問診あり)
■胃内視鏡検査
対象者/50歳以上(2年に1回)
- 受診料 1000円
- 検診方式 個別検診
■胃部エックス線検査
対象者/40歳以上(年1回)※集団検診は35歳以上
- 受診料 1000円(40歳以上の集団検診は900円)
- 検診方式 集団検診(35歳以上)、個別検診(40歳以上)
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結核・肺がん検診 対象者/40歳以上(年1回)
| 乳がん検診 対象者/30~39歳の女性(年1回)40歳以上の女性(2年に1回)
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大腸がん検診 対象者/40歳以上(年1回)
| 前立腺がん検診 対象者/50歳以上の男性(年1回)
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子宮頸がん検診 対象者/20歳以上の女性(年1回)
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※乳がん(マンモグラフィ)検診と胃がん検診は、事前に予約が必要です。医療機関によっては、他の検診も予約が必要な場合があります。
検診実施医療機関などは市のホームページでご覧いただけます。
「くらしの情報」→「健康・医療・衛生」→「健康診査」をクリック
【この特集に関するお問い合わせ】 保健福祉局健康推進課 TEL093・582・2018