特集 平成28年度決算
●決算規模
実質収支は50年連続の黒字
歳入から歳出と翌年度へ繰り越して実施する事業の財源を差し引いた実質収支は、12億7900万円で50年連続の黒字となりました。
北九州市の財政状況
平成28年度決算が市議会で認定されました。決算は、1年間の市の収入や支出の実績をまとめたものです。
市の会計は、一般会計・特別会計・企業会計の3つに分かれていますが、ここでは市の基本的な行政サービスに関わる一般会計の決算について、お知らせします。
詳細については決算に関する市のホームページをご覧ください。
![歳入 [円グラフ] 歳入総額 5140(100.0) 市税 1561(30.4) 国庫支出金 1000(19.1) 市債 645(12.6) 諸収入 528(10.3) 地方交付税 505(9.8) 県支出金 241(4.7) 地方消費税交付金 173(3.4) 使用料及び手数料 162(3.2) その他 345(6.5) 単位:億円 ( )内は構成比%]](graph1.jpg)
●歳入(収入)の主な特徴
市税収入や地方消費税交付金、市債発行による収入が減少したことなどにより、歳入総額は前年度に比べ303億円減少し、5140億円となりました。
市税収入は2年連続の減
市税収入は、法人市民税の減などにより、1561億円と前年度に比べ5億円(△0.3%)の減となりました。
市債発行額は、前年度に比べ355億円の減
市債は、道路・公園等の公共施設を作る場合等の財源として、市が銀行などから借り入れる借金のことです。市債発行による収入は645億円と前年度に比べ355億円(△35.5%)の減少となりました。
![歳出 [円グラフ] 歳出総額 5110(100.0) 義務的経費 2613(51.5) 人件費 642(12.6) 扶助費 1311(25.6) 公債費 660(12.9) 投資的経費 730(14.3) 普通建設事業費・災害復旧費 730(14.3) その他の経費 1767(34.6) 物件費 533(10.4) 福祉・医療関係繰出金 453(8.9) 貸付金 389(7.0) 補助費等 275(5.4) その他(維持補修費等) 148(2.9) [単位:億円 ( )内は構成比%]](graph2.jpg)
●歳出(支出)の主な特徴
特別会計への繰出金が減少したことなどにより、歳出総額は前年度に比べ299億円減少し、5110億円となりました。
毎年必ず支払わなければならない経費(=義務的経費)は3年連続の増加
人件費や市の借金返済(公債費)などの義務的経費は2613億円で、前年度に比べ47億円(+1.8%)増加しました。これは、障害福祉関係経費の増等による扶助費の増などによるものです。
投資的経費(公共事業など)は、前年度に比べ85億円の増
投資的経費は、スタジアム整備事業が前年度に比べ98億円増加したことなどにより、730億円となり85億円(+13.1%)の増となりました。
市民1人当たりの決算(一般会計)の内訳
一般会計決算を市民1人当たりに換算すると…
約52万9千円となり、このように使われました。
※人口は96万6628人(平成29年1月1日現在の住民基本台帳人口)で計算
◆保健福祉費
福祉・健康・医療の充実
15万8千円
◆産業経済費
産業学術・観光振興など
4万7千円
◆土木費
道路・河川・公園などの整備
4万9千円
◆子ども家庭費
子育て支援など
6万2千円
◆環境費
ごみ処理、低炭素社会づくり
1万6千円
◆諸支出金
市債の返済など
8万2千円
◆教育費
学校教育・生涯学習
3万円
◆総務費
市民活動支援、文化振興など
5万3千円
◆その他
消防・救急活動など
3万2千円
平成28年度に取り組んだ主な事業
G7北九州エネルギー大臣会合開催事業…1547万円
平成28年5月に、伊勢志摩サミットの関係閣僚会合の一つであるG7北九州エネルギー大臣会合を本市で開催しました。会合を通じて本市の環境・エネルギー政策を広く国内外に発信することができました。
TGC北九州2016開催事業…3870万円
平成28年10月9日、「東京ガールズコレクション」の地方創生プロジェクトとして、「TGC北九州2016」が本市で開催されました。当日は、延べ約1万2900人が来場し、小倉都心部はたくさんの人でにぎわいました。テレビや新聞でも大きく取り上げられるなど、経済効果は、パブリシティ(報道として取り上げてもらう)効果を含め17億円を超えました。
北九州空港将来ビジョン推進強化関連事業…5億5912万円
北九州空港における路線誘致の取り組みの結果、国際定期路線(3路線)が就航し、過去最高となる空港利用客140万人を達成しました。また、新規路線の集客・PRや既存定期路線の維持、さらなる拡充に取り組むとともに、空港アクセス手段であるエアポートバスの利便性向上を行いました。さらに、航空貨物拠点化に向け、航空貨物の集貨促進や貨物便の誘致活動に取り組みました。
日本トップクラスの安全・安心なまちづくり関連事業…1409万円
防犯活動の参加者拡大や刑法犯認知件数の減少等、北九州市安全・安心条例行動計画の目標を達成するため、事業者や学生などの自主防犯活動の活発化を図りました。また、警察、関係団体などと連携し、安全・安心なまちづくりに向けた取り組みを推進しました。
子ども医療費支給制度…28億481万円
子どもの健康の保持と健やかな育成を図るため、保険診療にかかる医療費の自己負担額の助成を行いました。また、平成28年10月から、通院助成をこれまでの「小学校就学前」から「小学校6年生まで」に拡充するなどの制度改正を行いました。
子どもの居場所づくり事業(子ども食堂)…423万円
仕事などの理由で保護者の帰宅が遅くなる家庭の子どもの孤食を防止し、幸福感や安心感を与える居場所を提供するため、親が帰宅するまでの間、子どもたちが多くの人たちと触れ合うことのできる子ども食堂を、モデル事業として平成28年9月に尾倉市民センターと日明市民センターで開始しました。
北九州スタジアム(ミクニワールドスタジアム北九州)整備事業…101億4663万円
都心部に人が集い、にぎわいあふれる本市を目指し、Jリーグやラグビートップリーグ等の試合、小中高生のサッカー・ラグビー大会、グラウンドゴルフ大会の開催、子どもたちへの芝生開放等に加え、まちににぎわいを生み出す各種イベントの開催など、市民に夢と感動を提供できるスタジアムを整備し、平成29年2月にオープンしました。
市債(市の借金)残高

市債残高は増加
埋立地造成特別会計引継分の影響や、地方交付税*の振り替えである臨時財政対策債*の増加などに伴い、市債残高は増加しています。
*地方交付税 全国の地方公共団体が一定の標準的な行政サービスを提供できるように、国がその財源を保障し、国税の一定割合を地方公共団体に配分するものです。
*臨時財政対策債 地方交付税の財源不足対策として、本来地方交付税で交付されるものの一部を、市債として借り入れることが認められているものです。このため、その返済については、後年度、その全額が地方交付税で措置されます。
財源調整用基金(市の貯金)残高

市の貯金は4年ぶりに減少
平成28年度決算では、平成24年度以来4年ぶりに市の貯金である「財源調整用基金」を取り崩したことにより、平成27年度末に322億円だった基金残高が、27億円減少して295億円となりました。
これは、市税や土地売払収入等が当初予算の見込みを下回ったことなどによるものです。
今後も、「北九州市まち・ひと・しごと創生総合戦略」などを着実に推進することで、歳入増につなげていくとともに、より一層事業の「選択と集中」を図りながら、持続可能で安定的な財政運営を行っていきます。
【この特集に関するお問い合わせ】 財政局財政課 TEL093・582・2002