児童虐待を防ぐために
特集児童虐待を防ぐために
【市長からのメッセージ】
児童虐待による痛ましい事件が後を絶ちません。昨年3月には、東京都目黒区において、「もうおねがい ゆるして」の文章を残して、当時5歳の女の子がかけがえのない命を落としました。
このような中、本市では市民が一丸となって、児童虐待を根絶していくとの強い思いから、市議会議員の発案による「北九州市子どもを虐待から守る条例」を施行しました。
子どもには、生まれながらにして、その一人一人がかけがえのない存在として認められ、幸せに生きる権利、愛されて育つ権利、守られる権利、安心して自分の感情や思いを表現する権利があります。そして、その権利を守るには、大人の支援が必要です。
虐待は子どもへの重大な人権侵害であり、絶対に許されない行為です。
子どもたちの笑顔を絶やさないため、誰もが虐待を見逃さない、市全体で子どもを虐待から守るまちづくりを推進していきます。
児童虐待とは?
保護者が行う次のような行為を「児童虐待」といいます。
※《 》内は、平成30年度における子ども総合センターでの対応件数(割合)
■身体的虐待《27%》
殴る、蹴る、たたく、戸外に締め出す、激しく揺さぶる、あざ・やけどなどの外傷を負わせる など
■性的虐待《1%》
子どもへの性的行為、性的行為を見せる、ポルノグラフィの被写体にする など
■ネグレクト(養育放棄)《21%》
適切な食事を与えない、ひどく不潔にする、自動車の中に放置する、重い病気でも病院に連れて行かない など
■心理的虐待《51%》
言葉の脅し、無視、きょうだい間での差別的扱い、子どもの目の前で行う家族に対する暴力や暴言(ドメスティック・バイオレンス:DV) など
身体的な痛みを伴うものだけが虐待ではありません。食事や着替えを与えない行為や、昔は「しつけ」として行われていた家からの締め出し、子どもの前での激しい口論なども児童虐待にあたります。
通告(通報)から始まる 虐待を受けた児童への支援
子どもを虐待から守るための第一歩は、皆さんから関係機関への通報です。
通報は誰でも行うことが出来ます。
また、虐待を行っている人や第三者などに対して、通報者の情報を伝えることはありません。
虐待を疑って通報し、結果として虐待でなかった場合でも、責任を問われるようなことはありません。
少しでも気になることがあるときは、匿名でも構いませんので、ためらわずに通報してください。
もしかしたら子どもたちのSOSかも…?
~通報のきっかけ(例)~
深夜のコンビニを子どもだけでウロウロしてる…
日常的に保護者から暴言を浴びせられており、家に居るのがつらい…。
よく学校を休んでいる…
保護者が行った虐待によるけがやあざを隠すために、登校させてもらえない…。
衣服や体がいつも汚れている…
給食や友達の家で出されたおやつを異常にガツガツ食べる…
保護者が洗濯をしない。ご飯も食べさせてもらえない…。
あなたの「気づき」が子どもを虐待から守ることにつながります。
子育ての悩みが虐待につながることも
子ども総合センター 中山 綾香さん
子ども総合センターには、毎日虐待に関する相談が数多く寄せられます。
中には、「子どもを虐待してしまうかもしれない」といった不安を抱えた保護者からの相談もあります。
核家族化やご近所づきあいの減少により、相談相手もなく、人知れず育児の悩みを抱えた結果、児童虐待につながってしまうケースも少なくありません。
相談があったとき、最優先に考えるのは子どもの安全確保ですが、そのために行うのは保護者を責めることではありません。保護者の悩みに耳を傾け、その悩みが解消されるよう、子どもだけではなく、保護者を含めた家族を支援していきます。
子育てに関する悩みも、お気軽にご相談ください。
子どもを健やかに育む5つのポイント
子育てにおいて、しつけと称してたたいたり怒鳴ったりすることは、子どもの成長の助けにならないばかりか、悪影響を及ぼしてしまう可能性があります。
次のポイントを心がけながら、子どもに向き合いましょう。
- (1)子育てに体罰や暴言を使わない
- (2)子どもが親に恐怖を持つとSOSを伝えられない
- (3)爆発寸前のイライラをクールダウン
- (4)親自身がSOSを出そう
- (5)子どもの気持ちと行動を分けて考え、育ちを応援
※来年4月1日より、児童虐待の防止等に関する法律が改正されることにより、親権者が子どものしつけに際して体罰を加えてはならないことが明文化されます。
児童虐待の連絡・相談先
児童相談所全国共通ダイヤル 電話189(いちはやく)
相談窓口 | 電話番号 | 受付時間 | ||
---|---|---|---|---|
子ども総合センター (戸畑駅前、ウェルとばた5階) |
電話093・881・4556 | 8時30分~17時15分 | 土・日曜日、祝・休日、 年末年始は除く |
|
各区役所「子ども・ 家庭相談」コーナー |
門司区 | 電話093・332・0115 | 8時30分~17時 | |
小倉北区 | 電話093・563・0115 | |||
小倉南区 | 電話093・951・0115 | |||
若松区 | 電話093・771・0115 | |||
八幡東区 | 電話093・661・0115 | |||
八幡西区 | 電話093・642・0115 | |||
戸畑区 | 電話093・881・0115 | |||
子ども相談ホットライン | 電話093・881・4152 | 24時間 365日 |
※緊急の場合は警察(電話110)へ通報してください。
児童虐待問題連続講座
いずれも11月27日(水)13時30分~16時30分、戸畑市民会館(戸畑駅前、ウェルとばた3階)で。
- 「北九州市子どもを虐待から守る条例」について 講師は、小坪浩子子ども家庭局参事。
- 子どもの命の重さを感じる~虐待診療と臓器移植医療 講師は、神薗淳司八幡病院小児救急・小児総合医療センター長。
- 児童虐待から見る多様な家族と地域支援 講師は、NPO法人にじいろCAP代表理事・重永侑紀さん。
共通の内容 手話通訳・要約筆記あり。問い合わせは子ども家庭局子育て支援課 電話093・582・2410、FAX093・582・5145へ。
【この特集に関するお問い合わせ】 子ども家庭局子育て支援課 電話093・582・2410