北九州市政だより

NO.1419

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令和4年10月1日号 特集

特集
パラスポーツを楽しもう

パラスポーツから広がる共生社会

 「東京2020パラリンピック競技大会」から1年、パラスポーツ(障害者スポーツ)を通して、まちに多様性、共生社会への理解が広がっています。

ふうせんバレーボール写真

北九州生まれ
「ふうせんバレーボール」

 「重い障害のある人も一緒にできるスポーツがあったらいいな…」。平成元(1989)年、一人の障害のある人のつぶやきから生まれたふうせんバレーボールは、障害のある、なしにかかわらず、子どもも高齢者も一緒にプレーできる6人制のバレーボールです。ルールは、チーム全員が必ずボール(ふうせん)に触れてから相手コートに返すこと。仲間が触れやすいようにパスをつなぐチームワークを重視するスポーツです。

ふうせんバレーボール写真
市内に拠点を置く「日本ふうせんバレーボール協会」は、
国内外で競技の普及に努めるなどの功績が称えられ、
令和3年に「厚生労働大臣表彰」を受賞しました。

中学生になっても、ふうせんバレーボールを続けたい

井上 怜吾さん写真
小倉中央小学校
井上 怜吾さん

 1年前、お母さんに「チームワークが身に付くスポーツだから」と勧められて始めました。月2回、障害者スポーツセンターで楽しく練習をしています。僕の主な役割は、アタッカーにパスを回すセッター。打ちやすいボールとなるよう、アタッカーの人と息を合わせるトレーニングに打ち込んでいます。最近、初めて試合に出場して、勝つ喜びも負ける悔しさも経験できました。今の目標は、もっと練習して勝率を上げることで、中学生になっても続けたいと思っています。

誰が得点を決めても、同じくらいうれしい

西本 慎さん・澄雄さん写真
西本 慎さん(左)・澄雄さん(右)

 生まれつき障害のある息子と一緒に楽しめるスポーツを探していて、ふうせんバレーボールに出合いました。それ以来30年近く、月2回の練習日に汗を流すことが、私と息子の生活の一部になっています。コートでは、障害や年齢に関係なく、全員が力を合わせ同じボールを追うチームメイト。息子は自分がサーブを決めた時もうれしそうですが、チームメイトが得点を決めた時は、それ以上にうれしそうです。四肢が動かないはずの息子が体を動かそうと懸命に力を振り絞る姿を見るたびに、このスポーツに出合ってよかったと思います。

市長からのメッセージ

 市内では、年間を通じてさまざまなパラスポーツイベントが開催されています。全国ふうせんバレーボール大会は、平成2(1990)年以降、市内で開催され、毎回500人の選手と200人のボランティアスタッフが大会を盛り上げています。また、車いすバスケットボールは、平成14(2002)年にアジアで初めて世界選手権大会が市内で開かれ、翌年からは「北九州チャンピオンズカップ」として開催されています。昨年の「東京2020パラリンピック競技大会」男子車いすバスケットボールで銀メダルに輝いた選手全員がこの大会の経験者であることは、とても誇らしいことでした。

 市では、これからもパラスポーツの振興を支えるとともに、障害の有無にかかわらず、お互いに尊重し合う、誰もが住みたい、住み続けたい「共生のまちづくり」に取り組んでまいります。

北九州市長 北橋 健治

選手が互いを理解し、支え合う
車いすバスケットボール

車いすバスケットボール写真
▲同時開催の小学生大会の様子

 車いすバスケットボールは、一般のバスケットボールとコートの広さもゴールの高さも同じ、基本ルールもほとんど同じです。大きく異なるルールは、障害の程度によって持ち点が設定されていて、コート上の5選手の合計持ち点が決められていることです。あえて障害の重い選手が敵陣にとどまり、相手チームの進路を妨害して味方を助けるプレーをしたり、チームが勝つためにそれぞれの障害の特徴を選手同士が理解し、支え合いながら戦術を組み立てていく、そこに車いすバスケットボールの魅力があります。

激しくぶつかり合う、迫力とスピード

応援しよう!

北九州チャンピオンズカップ
国際車いすバスケットボール大会

開催期間
令和4年12月16日(金)・17日(土)
会場
(八幡東区八王寺町)
参加チーム
日本・韓国
入場料
無料
同時開催
■全日本ブロック選抜車いすバスケットボール選手権大会
 12月16日・17日
■北九州市小学生車いすバスケットボール大会
 12月15日(木)
問い合わせ
北九州チャンピオンズカップ
国際車いすバスケットボール大会実行委員会事務局
電話093-922-1432 
FAX093-922-1434
※開催期間や参加チームは変更になる場合があります。

車いすバスケットボール写真

見どころ&応援

 一般のバスケットボールとの違いの一つは「車いす」。一般の車いすと異なり、タイヤは「ハ」の字に取り付けられ、細やかな動きができます。また「幅」があるため、幅を使って相手の守備の動きを止め、味方のシュートの機会を作り出すことも。車いすを使いこなした数々のテクニックに注目すると競技観戦がもっと楽しくなります。

選手宣誓では、声も心も震えました

山口 音耶さん写真
北九州 足立クラブ
山口 音耶さん

 車いすバスケットボールを始めて6年、「いつかは出たい」と願っていた「全日本ブロック選抜車いすバスケットボール選手権大会」に、昨年ついに出場を果たしました。しかも選手宣誓の大役まで担うことに。パラリンピックの影響で注目度が高く、ものすごく緊張しました。肝心の試合の結果はいまひとつでしたが、素晴らしい経験になりました。試合では「味方を生かすプレー」、つまりシュートチャンスを作り出すプレーに注力しています。こうした技術も含め、見どころ満載の車いすバスケットボール。見学や体験練習に参加した人はハマります。ぜひ、見に来ませんか。

車いすバスケットボール写真

選手たちに力と勇気をもらっています

恵良 隆さん写真
恵良 隆さん

 「北九州チャンピオンズカップ国際車いすバスケットボール大会」の運営ボランティアに参加して、そろそろ20年。最初は数百人程度だった観客も今では5千人を超えるまでに。新型コロナウイルスの影響で久しぶりに開催される今年の大会を、ぜひ成功させようと、高校生から70代まで約100人のボランティアが思いをひとつに、半年前から準備を進めています。初めての人には、活動の合間に試合を見るように勧めています。ハンディをものともせず死力を尽くす選手たちの姿からは力と勇気をもらえます。選手と直接触れ合うことはありませんが、試合後のあいさつなどで感謝の言葉をいただけた時は、ボランティアを続ける喜びを改めて実感します。

ボランティアの問い合わせ
問い合わせ
北九州チャンピオンズカップ国際車いすバスケットボール大会実行委員会事務局 電話093-922-1432 FAX093-922-1434

ふうせんバレーボール・車いすバスケットボールの見学・体験希望の問い合わせ

問い合わせ
障害者スポーツセンター 電話093-922-0026
聴覚障害者は FAX093-922-0041
この特集に関するお問い合わせ
保健福祉局障害福祉企画課 電話093-582-2453

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