北九州イクボス同盟

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IKUBOSS PRESS 2022.SPRING

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北九州イクボス同盟 先進企業パネルディスカッションを開催しました!

2022年1月21日、北九州市(北九州イクボス同盟事務局)主催によるパネルディスカッションと業界研究会が行われました。
その様子をお届けします。

パネルディスカッション

「イクボス推進」や「働き方改革」を軸に様々な取組を展開する先進企業のキーパーソン2人を迎え、これからのより良い働き方や組織のあり方について、実例やヒントを交えて話が展開されました。

テーマ:コロナ後の‟働きやすさとは何か”を考えよう
登壇者:日鉄高炉セメント株式会社 代表取締役社長 江頭秀起さん
    ヤフー株式会社 北九州センター セールスサポート部 リーダー 高橋理沙さん
ファシリテーター:株式会社サイズラーニング 代表取締役 高見真知子

写真左から、日鉄高炉セメント株式会社・江頭さん、ヤフー株式会社・高橋さん、ファシリテーター高見。

1on1や対話によるコミュニケーションが大事

高見:まずは簡単に会社やご自身について教えてください。
江頭:日鉄高炉セメント㈱は日本製鉄の100%子会社です。社員は約180名、西日本を中心に展開しています。
高橋:ヤフー㈱はイーコマース事業や会員サービス事業、インターネット上の広告事業を展開しています。私はセールスサポート部でインターネット広告に関する業務に携わり、6歳と3歳の子どもを育てながら働いています。

高見:働き方改革に関する会社の取組や着手されたきっかけをお聞かせください。
江頭:私はもともと親会社に勤務しており、2015年に弊社の社長になりました。新しい職場で何も分からない中、この会社のことをまずは知ろうと考え、全社員と50回を超える対話を行いました。そこで出た要望や気づきを「夢リスト」にして、一つひとつ実現することを目指しています。
高橋:コロナ禍でオンラインが主体となったため、コミュニケーションをより一層大事にしています。弊社ではコロナ前から1on1として、上司と部下はもちろん上司と上司、部下と部下など様々な組合せで1対1のコミュニケーションを取っていました。それをチームや部単位に広げたり、回数や時間を増やしたりしています。1on1では一人ひとりの目標に対する進捗はもちろん、雑談も積極的にしています。

高見:他にも取り組まれていることはありますか。
江頭:福利厚生を充実させたいと思い、健康に関する報奨金制度を導入しました。導入後の変化をグラフ化すると、喫煙率やメタボ率、運動不足率などの健康指標が改善していて、3か月に1度のトップメッセージのオンライン配信で紹介しています。

日鉄高炉セメント株式会社(製造業)代表取締役社長・江頭秀起さん。
2015年現職に就任後、トップ自ら推進する実行計画「夢リスト」の策定・進捗管理や、年4回のトップメッセージのオンライン配信等、トップの想いを全社員で共有できる取組を推進。2021年、第15回北九州市女性活躍・ワークライフバランス表彰で企業・団体部門市長賞を受賞。

会社の方向性やメンバーの状況を共有する

高見:働きやすい職場を作るために、管理職にはどんなことが必要でしょうか。
江頭:大きく2つあると思います。1つは労働時間管理やハラスメントをしないという、基本的な職場環境の形成。もう1つは、経営者が会社として進む方向性、つまりビジョンを語り共有すること。どちらも欠かせないと考えています。
高橋:部下が描くキャリアプランとライフプランをあわせて支援したいと思っています。一方で、例えば育児中の人ばかり優遇されるとチームの士気が下がるので、誰がどんなプランを描き、どういう状態でどんな成果を出しているかを全員で共有するように工夫しています。また、ミッションを達成するためのロードマップを、実際にやる人も含めて全員で作ることを大事にしています。私はまだ子どもが小さく、どうしても不在となることがあります。ロードマップを引いて目標を掲げ、やることと時間を決めて共有しておくと、私がいなくても部下は成長できます。

高見:これまでの働き方改革は、生産性向上が主な目標でした。社員の成長や働きがいなど一歩先へ進むためには、どうすればいいでしょうか。
江頭:生産性というと分子が価値、分母が人や時間で、今までは分母を減らすことで値を大きくしてきたけれど、これからは分子の価値を大きくするイメージではないでしょうか。私どもで言えば、カーボンニュートラルに貢献できる、普通のセメントに比べてCO2が4割少ない高炉セメントを普及させるために、みんなで一つのベクトルに向かっていくことが重要だと思っています。
高橋:働いた時間ではなく生産や成果で評価されることがポイントだと思います。また、今後は一つの会社だけで働くのではなく、副業も増えていくでしょうし、キャリアプランとライフプランを掛け合わせて、これからどんな世界にしていくのかを一人ひとりが考える時代になると感じています。

ヤフー株式会社北九州センターセールスサポート部リーダー・高橋理沙さん。
自身も仕事と育児を両立しながら業績向上と部下の育成に尽力するイクボスで、社内では育児コミュニティづくりにも貢献する女性管理職のロールモデルの一人。2020年、第14回女性活躍・ワークライフバランス表彰で個人部門奨励賞を受賞。

個人も会社もビジョンを持ち共に成長する時代へ

高見:求められる人材像も転換期にあると思います。アフターコロナに求められるのはどんな人材でしょう。
江頭:弊社の行動指針は挑戦・勉強・健康です。コロナ前でもアフターコロナでも、これらをしっかり実践できる方を求めています。
高橋:変化を恐れず、失敗も含めて次を見ていける人が、今からの時代に必要なのかなと思います。

高見:今年4月からは改正育児介護休業法が段階的に施行され、いわゆる‟男性の産休”(出生時育児休業※)が新設されます。男性の育児参画についてはいかがでしょうか。
※出生時育児休業とは、男性労働者が子どもの出生後8週間以内に4週間までの休業を取得できる制度。2022年10月1日施行。

高橋:弊社では、男性・女性と分けずに育児をしたい方が育児休暇を取る制度と風土ができています。「パパママサポート」という育児経験者などが話をする場があり、そこにチームメンバーも参加することで、自然に育児への理解が進んだような気がします。
江頭:昨年男性育休第1号があらわれました。最近はテレワークを導入して、休まなくても家で仕事をしながら育児や家事もしようと心がけている社員もいます。

高見:ヤフーさんはテレワークがかなり進んでいます。うまく取り入れるポイントを教えてください。
高橋:弊社では働く場所に加えて時間も選ぶことができます。1日8時間勤務として、朝3時間働き、3時間は育児やジムに行き、その後に5時間働いてもいい。自分が一番パフォーマンスを発揮できるように時間も場所も決められるのがポイントです。

高見:最後に、3年後に向けたビジョンと皆様方へのメッセージをお願いします。
江頭:3年後に向けて、私は、トップとして働く環境を整えた上でビジョンを発信し、みんなで取り組むことで成果を出して誇りを感じ、処遇改善によって働きがいを高め、生産性を上げて成果を出すという好循環を作っていきたいです。
高橋:本日は学生の方も参加されているということですが、これからの就職活動は、会社から選ばれるためにどうするかという視点ではなく、自分が会社を選ぶ時代になるでしょう。会社は選ばれるように働き方などを改善し、皆さんは自分のライフプランやキャリアプランに合う会社を選ぶことで、皆さんも会社も成長できると思います。
高見:一人ひとりがより良く働く主体者であるという認識を持つこと、会社はより良い環境づくりに向けて努力することで、地域全体にいい波及効果が生まれていくと思います。本日はありがとうございました。