特集高齢者の消費生活トラブル

悪質商法の手口を知って身を守ろう

詐欺イラスト

 高齢者を狙った悪質商法による消費トラブルが後を絶ちません。利殖商法や振り込め詐欺、還付金詐欺のほか、最近急増している健康食品の送りつけ商法など手口が巧妙化しています。今回は被害を未然に防ぐにはどうしたら良いのか、消費生活センターの主任消費生活相談員・土井麻紀さんに聞きました。

土井麻紀さん写真

消費生活センター
主任消費生活相談員

土井麻紀さん

相談件数の約4割は高齢者から

 平成24年度に消費生活センターに寄せられた相談件数は1万2352件で、前年度に比べ約7.4%減少しました。しかし、高齢者からの相談は全体の約38.8%で、その比率は年々上昇しています。

電話イラスト

 悪質商法はさまざまですが、最近は健康食品の送りつけ商法が急増しています。本市でも今年4月から5月中旬までに100件以上の相談が寄せられました。その他、複数の業者が入れ代わりでさまざまな役を演じ、「もうけ話」だと信じさせお金をだまし取る「劇場型勧誘」と呼ばれるものや還付金詐欺などの苦情も少なくありません。

高齢者の弱みにつけ込んだ悪質商法

 悪質業者は高齢者が抱く「健康」・「孤独」・「お金」という不安につけこみ、言葉巧みにあおり、年金や貯蓄を奪い取ろうとします。

 被害を未然に防ぐには、新聞やテレビなどでどのような手口が多いのか最新の情報を集めることが大切です。また、彼らは高齢者が一人でいる昼間の時間帯を狙って近づいて来るので、家族や周囲の見守りが重要です。実際に高齢者宅を訪問している介護事業者から相談を受けることもあります。家に知らない人が出入りしている、見慣れない段ボール箱や新しい商品が積み上げられている、見たことのない契約書がある場合は注意が必要です。

相談して一緒に解決を

 「必ずもうかります」「医療費の還付金があります」などの電話がかかってきたら「おかしいな」と思いましょう。不審に感じる出来事や何か不安なことがあれば、まず消費生活センターの各相談窓口に相談してください。専門の資格を持った相談員が相談に応じています。また、弁護士、司法書士による無料の相談会も実施しています。その他にも、最近多いトラブル事例や注意喚起情報を介護事業者など見守り団体に「あんしんサポートメール」として毎月2回配信しています。15名以上で要望があれば「出前講座」も行っています。情報収集にぜひ活用してください。一人で悩まず、相談員と一緒に解決の糸口を見つけましょう。

こんな時には気をつけて! ~事例と対策を教えます

事例1健康食品の送りつけ商法

 食品会社を名乗る男性から「2カ月前に注文した健康食品を代金引き換え配達で送る」と電話がありました。注文した覚えはないのですが、「注文のときのやり取りを録音している」と言われ、もしかしたら頼んだかもしれないと思い、受け取る約束をしました。後日商品が届きましたが、やっぱり覚えがありません。どうしたらいいでしょうか。

【アドバイス】
  • (1)購入の意思がないのに一方的に商品を送り付けられた場合は、代金支払い義務はなく、受け取る必要もありません。宅配業者に事情を説明し、受け取りを拒否しましょう。その際、業者名や電話番号などを控えておくことも大切です。送り主に消費生活センターが連絡し、確認や交渉することが可能です。
  • (2)あいまいな返事をせず、注文した覚えがなければきっぱり断りましょう。
  • (3)このような電話がかかってきたら、速やかに電話を切り、警察や消費生活センターへ相談してください。

事例2買え買え詐欺

 突然A社から権利に関するパンフレットと申込書が送られてきました。後日、B社から「A社が販売する権利を購入すれば、高値で買い取る」という電話がありました。良い話だと思い、A社に権利の購入を申し込み、お金を振り込みました。その後、A社、B社ともに最終的に連絡が取れなくなり、権利証券のようなものだけが手元に残りました。

【特徴】
  • (1)買え買え詐欺とは、劇場型勧誘の典型例です。共通するのは、立場の違う複数の人が入れ代わり立ち代わり勧誘してきます。
  • (2)エネルギー関連や最先端技術など最近話題となっているものや、高齢者が興味を持ちそうな事業が投資対象になっています。
  • (3)あたかも大手企業かのような立派なパンフレットが送られてきて、消費者を信用させます。
【アドバイス】
  • (1)「権利を買い取るから必ずもうかる」などと、他者と契約させようとする話には耳を貸さないようにしましょう。
  • (2)絶対にお金を渡さないようにしましょう。

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