人権を考える5分間のラジオ番組「明日への伝言板」

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  • 2019年11月20日(水)放送

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大切なもの
今日は、北九州市門司区の中学三年生、有田七菜さんの作文を紹介します。題は『大切なもの』です。

私には、幼稚園からの仲でクラスは違ったが、同じバレーボール部の大切な親友がいた。
そんな親友と、ちょっとしたすれ違いが原因でケンカをしてしまった。「うるさい」や「大嫌い」など思ってもいないことを言ってしまった。私は仲直りしたいなと思う反面、もう二度と顔なんて見たくない、一緒に部活なんてしたくないと思っていた。
その日は一日中ふてくされていて、私の様子がおかしいと察した父が、私の話を聞きおわったあと、
「なな、この地球上には、何人の人がいると思う。何万人、何千万人、日本だけでどのくらいの人がいると思う。何億人といる人の中で、偶然出会えた人達。そんな人たちとバレーボールで一緒に一つのボールをつないでいるんだ。こんなに広い地球で、出会えたのは奇跡じゃないのか。小さな意地の張り合いで一生の友達を失うのか。少し考えてみろ。」
私は父の言葉を聞き考えた。
次の日、私は朝早く学校へ行き、一番に親友に謝りに行った。
昨日は、ごめん。これからも、部活一緒に頑張ろうね。」
すると、親友も
「私のほうこそ、ごめんね。」
と謝ってきた。私は、嬉しくなった。そして、友達の大切さを知った。
小さな意地の張り合いで大切な友達を失うところだった。部活を一緒にしていることが当たり前だと思っていたからだ。しかし今は違う。部活の仲間、クラスメイト、先生、家族、たくさんの人に感謝している。私は一人では生きていけない。たくさんの人に支えられている。出会いを大切にし、感謝の心を忘れず、今を一生懸命に生きていきたい。

いかがでしたか。「こんなに広い地球で、出会えたのは奇跡じゃないのか」というお父さんの言葉で、七菜さんは自分の周りにいる友達や先生、家族がかけがえのない大切な存在だと気付きました。私たちも七菜さんのように、出会いを大切にし、感謝の心を忘れずに生きていきたいですね。
では、また。