人権を考える5分間のラジオ番組「明日への伝言板」

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  • 2019年11月26日(火)放送

テーマ / 性自認・性的指向 ジャンル検索

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みんなのトイレ
外出先のトイレで、男女に分かれた入り口が設けられているのを見かけます。このことに疑問を感じたことはありますか。
トイレや洗面台など大手住宅設備機器のメーカー・TOTOが「性的マイノリティのトイレ利用に関するアンケート調査」を実施したところ、新しいトイレのあり方が見えてきました。

まず分かったのは、性的マイノリティの中には外出先でのトイレ利用についてストレスを感じている方がいることです。特に体と心の性が一致しないトランスジェンダーの場合、ストレスのトップは「トイレに入る際の周囲の視線」で、全体のおよそ三分の一の方が挙げました。中には「見た目が中性的なことを理由に、トイレを利用して通報された」「周りの目を気にしてトイレに行くのを我慢していたらぼうこう炎になった」というつらい経験をした方もいます。
多目的トイレは性別に関係なく利用できますが、「車いす使用者優先という印象があって入りにくい」。だからといって性的マイノリティ専用のトイレなら良いというわけでもありません。「性的マイノリティであることを隠している場合、専用トイレに入ることで意図せぬカミングアウトにつながるのではないかと不安」だからです。つまり「男性・女性・多目的トイレとは別に、誰もが気兼ねなく入りやすいトイレ」が必要だと
いうことになります。
近年、男女共用トイレなど性的マイノリティにも配慮したトイレもできていますが、まだまだ少ないのが現状。性的マイノリティの方々が悩んでいることすら知らない方もいるのです。
アンケート調査に携わったTOTO九州支社市場開発部の重留美穂さんは「まずは外出先のトイレ利用に悩んでいる性的マイノリティの方々がいることを多くの方に知ってほしい。性的マイノリティの方も、そうでない方も、お子さまもお年寄りも障害のある方も。みんなが心地よく利用できるトイレを一緒に考えていきたい」と話しています。

外出先のトイレは他人と共有する最もプライベートな空間といえるでしょう。だからこそ、誰もが安心して心地よく利用できることが必要です。一人一人の悩みに寄り添い、多様性を受け止められる社会を実現していきたいですね。
では、また。