人権を考える5分間のラジオ番組「明日への伝言板」

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  • 2017年11月22日(水)放送

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私の存在
今日は、北九州市立文学館が平成二十八年度に募集した第七回「あなたにあいたくて生まれてきた詩」コンクールの中から、北九州市八幡西区の中学二年生、共田恵梨さんの詩を紹介します。

 『私の存在』
北九州市立熊西中学校二年 共田恵梨

あなたは私のことで怒った
あなたは私のことで喜んだ
あなたは私のことで泣いた
あなたは私のことで笑った
あなたは私のことをほめた
あなたは私のことをはげました

こんなにも私のことを好きでいる人がいる

あなたは私のことで怒った
あなたは私のことで喜んだ
あなたは私のことでムカついた
あなたは私のことを笑った
あなたは私のことを悪く言った
あなたは私のことを無視した

私のことを好きな人
私のことをきらいな人
両方いて当たり前

私のことをきらいな人がいるのは
つらいし
悲しいけれども
私のことを好きでいてくれる人もいる
両方いて当たり前

私はあなたとけんかした
私はあなたと喜んだ
私はあなたと泣いた
私はあなたと笑った
私はあなたとほめ合った
私はあなたとはげまし合った
私はあなたに感謝する

私は今ある大切なものを
ずっと
大切にしていく

いかがでしたか。恵梨さんの詩には、「私」と「あなた」のあいだの出来事や心の模様がいきいきと描かれています。
泣いたり、笑ったり、怒ったり、喜んだり・・・。詩の中の「私」は、一人一人の「あなた」とさまざまに関わっています。
 「私」のまわりには、いろいろな「あなた」がいます。私のことを好きな人、私のことを嫌いな人、両方いて当たり前ですね。そんな人との関わりの中で、「私」も「あなた」も生きています。
恵梨さんが「ずっと大切にしていく」と言った掛け替えのないものは、「私」と「あなた」のさまざまな関わりの中から生まれます。
 「私」と「あなた」は、ぶつかることもあれば、通い合うこともあります。それは、ごく自然なことです。

みなさんは、丸くてきれいな石を、海や川で見つけたことがありますか? 何年も何年も、ぶつかったり、ころがったりして磨かれた石です。まるで宝石のようです。

 「あなた」と「私」。ぶつかることもある二人が存在するからこそ、輝いていけるのですね。
では、また。