人権を考える5分間のラジオ番組「明日への伝言板」

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  • 2019年10月22日(火)放送

テーマ / HIV・エイズ ジャンル検索

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死の病ではなくなったエイズ
皆さんは「エイズ」について、どのくらい知っていますか。エイズは、体の免疫機能を低下させるウイルス「HIV」に感染することで起こる病気です。
内閣府が平成三十年に公表した世論調査によると、エイズの印象について、五十二%の人が「死に至る病である」、三十四%の人が「原因不明で治療法がない」と回答しており、未だに多くの人が誤った認識でいることが分かりました。
もし、あなたがHIVに感染したら、どうしますか。ある男性が、感染したことを打ち明けようと、友人を呼び出したようですよ。

「どうしたんだよ、改まって何の話?」
「忙しいところ悪かったな。伝えておきたいことがあって…。俺、  HIVに感染してるんだ。」
「ええ? なんだか平然と言うけど大丈夫なのか?」
「問題ない。普通に生活できてる。今はエイズの発症を遅らせる 治療をしてるんだ。」
「きみがエイズだなんて…。」
「いや、 HIVに感染はしているけどエイズになったわけじゃない よ。適切な治療を続ければ、長期的にエイズを発症すること なく、健康な人と同じように生活できるんだ。」
「本当か?」
「ああ。それに、いつかエイズを発症しても、ある程度は症状 をコントロールできるそうだ。エイズはもう死の病ではないと 言われたよ。死亡率もかなり下がっているらしい。」
「言いにくいけど、感染とかしないのか?」
「HIVは感染力が弱くて、感染経路は性行為による感染・血 液感染・母子感染の三つだけ。体に触れる、一緒に食事をする といった日常的な接触ではうつらない。だから… これまで通り に接してもらえるとうれしいんだけど。」
「そんなの、当たり前だろ!」

HIVや、それに感染することで起こるエイズについて、まだ知識不足や誤解が多いのが現状です。それが偏見や差別を生むこともあります。「エイズは死の病ではない」「HIV感染後も普通に生活できる」「HIVは日常的な接触ではうつらない」という正しい認識を持つことが大切ですね。
また、 HIV感染後も普段通りに生活するためには、早期発見がカギとなります。 HIV検査は全国の保健所で匿名で受けられ、費用もかかりません。気軽に相談してみてください。
では、また。