人権を考える5分間のラジオ番組「明日への伝言板」

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  • 2020年11月24日(火)放送

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見えないものを伝えるマーク
今日は、福岡法務局と福岡県人権擁護委員連合会主催の令和元年度全国中学生人権作文コンテスト福岡県大会で優秀賞を受賞した、北九州市小倉北区の中学三年生、後藤真理さんの作文『見えないものを伝えるマーク』を紹介します。この作文は一部省略して朗読します。

全ての障害が目で見えるとは限らない。障害ではないが、特別な事情を抱えている人も、見た目だけでは分からないこともある。そのために、町中で周りの人から誤解されたことがある人は少なくないだろう。このような誤解をなくすにはどうすればいいのだろうか。
私には、聴覚過敏という症状がある。普通の人には何気ない音が耳に響いたり、痛みを伴う音として聞こえたりするのだ。症状の重い人は、外出する際に「イヤマフ」という、大きなヘッドホンのような、周りの音を遮る専用の装置を身につける。
ある聴覚過敏の小さな男の子が、イヤマフをしてお母さんと歩いていると、近くにいた女性から「小さい子にこんな大きなヘッドホンで音楽を聞かせるなんて」と非難された、という記事を見つけた。
他にも同じような事例が増加していき、ある日、一人の女性が声をあげた。「何か誤解されないためのマークがほしい」と。この一言によって、聴覚過敏の人のための、マークが誕生した。
そのマークには、ウサギのイラストと共に「苦手な音から耳を守っています」と書かれている。
この世の中にはたくさんのマークが存在している。そのマークの数だけ、障害や事情によって受けた苦しみ、周りに理解して欲しいという人々の願いがある。マークがあることで、そのような人々の不安は消える。また、周りの人々も誤解せず、理解して、その人のことを思いやれる。
私は、マークを通じて、こんな障害があるんだと知ってほしい。いろんな人がいるということを理解してもらいたい。そうすることで、やっとマークが存在する意味があるのだと思う。
見えないものを伝えるマーク。これからもさらにいろいろなマークが広まり、だれもが互いを思いやり、理解し合いながら生きていく、そんな世の中になってほしい。

いかがでしたか。真理さんは、私たちに見えないものを伝えるマークの大切さを教えてくれましたね。
では、また。