人権を考える5分間のラジオ番組「明日への伝言板」

メニュー

ここからコンテンツです

  • 2020年11月4日(水)放送

テーマ / 障害のある人 ジャンル検索

YouTubeで音声を再生します。

PDFダウンロード
私の弟
今日は、北九州市門司区の中学三年生の作文を紹介します。題は『私の弟』です。

私の弟は、「自閉症」で特別支援学校に通っている。私と同じ小学校に通っていた時は、発達段階の違いもあり、困ることが多かったが、今は自分のスピードに合わせてしっかりと生活をしている。弟は周りの人たちにたくさん支えられてここまで生活している。このように、障害を持っている方に優しく寄り添ってくれる人たちがいるから、ここまでくることができている。
私は弟の事を「普通」だと思っているし、弟を「弟」という見方しかしたことがなかった。しかし、先日、母と一緒に障害者の方がいる施設に弟を迎えに行った時のことである。私は弟と同じように他の人と関わることができなかった。障害を持っている方と自分たちは同じであるといっても簡単ではないと強く感じた。
家族と弟の話をすることがよくある。その中で「普通」という言葉が出てくることに、いつもひっかかる。「普通」「平等」といった言葉はどこからどこまでなのか、正直自分も分からない。そもそも「障害」というくくりがある時点で、平等なのかどうか分からなくなる。でも障害を抱えた方に対しての支えなどがなくなったら、それこそ不平等になってしまう。今は分からないことだらけだ。
正直、姉としてきちんと務まっているかどうか分からない。でも、私は弟の一番の理解者でありたいと思う。そして、弟だけでなく世界中の障害を抱えている人のことをしっかりと理解したい。障害を抱えている人と対等に接していける世の中にしたい。

いかがでしたか。自閉症の弟と同じように、 障害のある人と関わることができなかった作者。「普通」や「平等」について深く考え、こんな決心をしたそうですよ。
「これから私にできることは何か。まずは、障害を抱えている方たちと関わること。弟の事をもっと理解してあげる事。みんな平等な世界がいつか来るために、私が最大限できることをしようと思う。」
では、また。